「学生残酷映画祭2023」が12月に開催される。このたび歴代受賞者である
2009年から2017年まで続いた「学生残酷映画祭」は、流血や人体破損の描写があるジャンル映画“残酷映画”を専門としたコンペティション形式の学生映画祭。「ミスミソウ」などで知られる内藤は2009年に「牛乳王子」でグランプリを受賞し、2016年には「ベイビーわるきゅーれ」の阪元が「べー。」で同じくグランプリに輝いている。
これまで学生のみを対象としてきた本映画祭だが、6年ぶりの開催にあたり年齢問わず残酷映画を愛するすべての人が応募可能に。また9月21日からクラウドファンディングを実施。映画祭オリジナルグッズなどリターンが予定されている。作品の募集期間は11月20日まで。詳細は「学生残酷映画祭」公式サイトおよび公式Xをチェックしよう。
内藤は「今年、学生残酷映画祭が復活します。孤独に残酷映画を撮る若い監督にとって祝祭になるでしょう」、阪元は「これを読んでるジャンル映画好きの監督たち、いまからでも遅くありません。撮って完成させて応募しましょう。そこから、全てが始まります。がんばれ!」とそれぞれコメントした。
内藤瑛亮(映画監督)コメント
鬱屈とした思春期を過ごしていたとき、残酷映画だけが心の救いでした。スクリーンの中で血が流れ、人体が損壊されると、荒んだ心は癒されました。自分で映画を撮り始めたとき、残酷映画を撮ったのは必然でした。血糊はどうやって流すか。人体はどうやって損壊させるか。残酷描写の撮影方法を考えるのは、楽しい体験でした。
完成した作品をコンペに応募するも、良い結果は得られませんでした。上映の機会を得ても、他の上映作品は青春映画や恋愛映画で、僕の作品が上映されると冷ややかな空気に包まれ、いたたまれない気持ちでいっぱいでした。当然、賞とは無縁でした。
そんなときに参加したのが、2009年に開催された第1回学生残酷映画祭です。初めて温かい空気で受け入れられました。今まで散々、軽蔑と嘲笑を受けていた作品が喜んでくれる観客と出会い、深い感動を覚えました。血で染まったスクリーンを観て癒されていたのは僕1人ではなかったんだと知りました。そしてグランプリを頂きました。僕にとって唯一の賞となります。
その後、僕は商業監督となりました。思うようにならないこともあります。そんなときは2009年の学生残酷映画祭の客席を思い出して、自分を奮い立たせています。
今年、学生残酷映画祭が復活します。孤独に残酷映画を撮る若い監督にとって祝祭になるでしょう。
阪元裕吾(映画監督)コメント
2016年秋。京都から深夜バスで新宿に向かい、なんだかすごく怪しい雰囲気の会場、新宿ロフトプラスワンで最初の作品「べー。」を上映。
生まれて初めての学外での上映で、緊張で喉がからからになり、20個くらい飴を舐めました。
上映からの記憶はあまりないのですが、とにかく初めてのグランプリ受賞。ここから僕の映画人生は始まりました。
そのときの審査員、田野辺さんが言ってくれた言葉が次作のキャラクター造形へ繋がり、その作品がまた別の賞や自身の色に繋がり…と、原点を辿れば僕の作品はすべて、学生残酷映画祭のあの夜に帰着しています。
いま、ジャンル映画を評する映画祭はほとんどありません。
学生残酷映画祭がなかったら、間違いなく「国岡」も「ベビわる」も産まれなかったでしょう。
これを読んでるジャンル映画好きの監督たち、いまからでも遅くありません。撮って完成させて応募しましょう。そこから、全てが始まります。がんばれ!
田野辺尚人(映画秘宝2代目編集長)コメント
第1回グランプリの「牛乳王子」から、現時点での最新グランプリ「べー。」まで、自分たちですべてを運営して、仲間たちと競いあい、勝ち抜いた者の背中を押して、荒波の映画界に送り出す。「ミスミソウ」も「ベイビーわるきゅーれ」も、まさに学生たちによって開いた血みどろの花嵐だ。今年、眠りから目覚める最高の映画祭。頑張れ! 頑張れ!
高橋ヨシキ(アートディレクター / 映画評論家 / 映画「激怒」監督)コメント
学生残酷映画祭は気高く美しい映画祭であり、常に進行系の映画史それ自体とも接続している。残酷描写はきらびやかなスターや美麗な衣装、巨大なセットと同じく「映画」を輝かせる魔術そのものだ。「いま、ここ」に生きる学生たちの瑞々しい情熱の詰まった「残酷」を刮目して見よ!
伊東美和(ゾンビ映画ウォッチャー)コメント
小さくまとまるよりも勢いだけで突っ走るやつ、グチャグチャでドロドロでメッタメタなやつお願いします!
ヒロシニコフ(映画ライター / VIDEO VIOLENCE RELEASING代表)コメント
残酷な映画が観たい! でもひとえに残酷といっても中身は様々。無邪気な血みどろゴアから、神経を逆撫でする鬼畜映像まで。そう、残酷って自由だ! その自由さから生まれる新しい表現こそ映画の未来だと思っています。学生残酷映画祭に多くの作品が集まること、そして映画界の今後を担う方々が現れることを楽しみに生きております!
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