伊奈子のマンガを映像化した本作は、毒親に育てられたことで、「自分には何の取り柄もない」と思い込んでいる自己肯定感の低いスーパーの店員・捻木深愛(ねじきみあ)を主人公とする“パラサイト不倫ドラマ”。暴力を振るう父亡きあと、強く抑圧してくる母と2人で暮らしていた深愛は、初めて自分を肯定し、優しくしてくれたスーパーの店長に恋をして不倫関係になる。しかし店長から妻の病が悪化したことをきっかけに別れを切り出されてしまう。そして店長を元気にするため、彼の妻の病気を治そうととんでもない行動に。彼女は店長だけでなくその息子、妻にまで近寄り、徐々に寄生していく。
吉沢が扮するのは、深愛と関係を持つことになる店長・那須川夏生(なつお)。女性に優しく接する性格のためスーパーのバイトの女性から人気があり、不倫関係になることがしばしばある。櫻井が担うのは夏生の息子・ハルキ役。幼なじみから一方的にクレイジーな愛情を向けられており、彼女が「ハルキが自分をレイプしようとした」という嘘を広めたため不登校になってしまった人物で、スーパーで偶然出会った優しい深愛に惹かれていくようになる。
吉沢は齊藤について「初単独主演でご本人は緊張しているのかもしれませんが、周りを不安にさせないような雰囲気をお持ちで、本読みの際は回数を重ねるごとに監督のオファーにきっちり応えていて、柔軟性がある方だなという印象も受けました」、櫻井について「普段は笑顔の可愛い好青年というイメージですが、役に入ると、ハルキが抱えている闇を『こうやって演じよう!』と強い意志を持って挑もうとしているのが伝わります」とコメント。対する櫻井は「ハルキは本当にどんどん、ことごとく状況が悪化していくので、そこには感情移入はできないと思いますが、『あぁ、かわいそうだなぁ…!』と、逆にそこが面白いと思ってもらえるように、うまくエンタメに昇華したいなと思っています」と意気込みを述べた。
ドラマ「泥濘の食卓」はテレビ朝日系の土曜ナイトドラマ枠で10月21日にスタートし、毎週土曜23時30分より放送。毎週地上波放送終了後には、TELASA(テラサ)で配信される。監督を映画「アンダー・ユア・ベッド」の
土曜ナイトドラマ「泥濘の食卓」
テレビ朝日系 2023年10月21日(土)スタート 毎週土曜 23:30~24:00
吉沢悠 コメント
原作を読んで
20代前半くらいの頃、悩んだことがあったときに、どの大人に相談していいのか分からず、これで合ってるのかどうかを導いてくれる人が周りにあまりいなかったんです。今回原作を読んで、深愛は自分が抱えていることを近くにいる店長に伝えることで、少しでも前に進もうとしている点では、世間的にいいかどうかは別として、彼女の中では1つの正解なのかなと思います。一般的にストーカーと捉えられることも、実は本人の中では一生懸命生きているだけみたいな、そういう世界感を描いているなと感じました。
最初にオファーを受けたときの気持ちと、演じるに当たっての思い
今回、不倫をしているおじさんという役のオファーをいただきましたが、なぜ今この話が来ているのかと考えた時に、「今の年齢だからできること」なんだろうなと思いました。今回に限らずですが、自分がやってきていない役柄を演じるのは光栄でもありますが、大変です。でも、そういう経験を積んでいかないと俳優として落ちていくと思いますし、役者として経験してきた貯金で演じる、というところに甘んじてはいけないと思うので、挑戦する気持ちでこの役に挑みたいです。
主演の齊藤京子、息子役の櫻井海音それぞれの印象は?
齊藤さんとはご一緒するのが初めてで、ハキハキ明るいイメージがあります。初単独主演でご本人は緊張しているのかもしれませんが、周りを不安にさせないような雰囲気をお持ちで、本読みの際は回数を重ねるごとに監督のオファーにきっちり応えていて、柔軟性がある方だなという印象も受けました。
櫻井さんも初共演で、普段は笑顔の可愛い好青年というイメージですが、役に入ると、ハルキが抱えている闇を「こうやって演じよう!」と強い意志を持って挑もうとしているのが伝わります。
そういう若い人たちと一緒にやっていくことで、自分が忘れてしまっている感覚などが再び生まれたら面白いな、と期待しています。
視聴者へのメッセージ
原作の世界観を見ると、結構特殊な世界の話という印象を持たれると思います。安里麻里監督は、いい意味で“危ない”感覚を持っている方で、作品に対する情熱がもの凄く、いかにこの原作をドロドロに料理してやろうかという熱意を感じるんです。その方がメイン監督として、生身の人間を動かしていく上で、不倫ドラマが好きな方や危険な世界感が好きな方が惹かれるような作品になっていくのではないかと思うので、そこを楽しみにしていただけたらと思います。
櫻井海音 コメント
原作を読んで
出演が決まってから原作を読んだので、最初はフラットな気持ちで読みたいなと思いながらも、どうしてもハルキに感情移入しちゃって、どんどん気持ちが暗くなっていきました。でも、きっとそういう気持ち一つひとつ、キャラクターが放つ個性みたいなものがこの作品の魅力であり、面白いところだと思っているので、原作にいるハルキをちゃんと表現出来たらなと思っています。
実は、最初に読んだ時はハルキがいちばん“まとも”な人間だと思っていたんです。でも、何回か原作を読み返すうちに、実はハルキもヤバい要素を持っているんじゃないかと思い始めたんです。深愛が父親の不倫相手とわかっても好きでい続けていたり、幼なじみの女の子に手を上げたり…そういう部分はけっして“まとも”とは言えないんですけど、一方で、そこがすごく人間っぽくて、泥臭くていいなというか、「“泥濘”だなぁ!」って感じですね。僕はもう、ハルキの気持ちにしか共感できないです…!
最初にオファーを受けたときの気持ちと、演じるに当たっての思い
オファーをいただいた時は、素直にうれしかったですね。今まで演じてきた役がわりとナチュラルな役が多かったので、ちょっとダークというか、闇を抱えた人物を演じられることもうれしかったですし、原作を読んでより面白い作品だと思ったので、この作品にハルキとして出させていただけることの喜びが強いです。撮影がとても楽しみです!
主演の齊藤京子、父親役の吉沢悠それぞれの印象は?
齊藤さんや吉沢さんをはじめ、皆さん本当に作品を良くしようという気持ちや、目指す方向性が一緒だなと感じました。それは監督さんやスタッフさん含めて、全体が同じ方向に向かえる現場、そして作品になるんじゃないかなと思いますし、今から現場が楽しみです。とてもやり甲斐のある撮影になりそうだなと思っています。
齊藤さんは、いつも「キョコロヒー」を拝見させていただいているので、「あ、本物だ!」って思いました。いつか「キョコロヒー」出たいなぁ…。
吉沢さんとは衣裳合わせの際にご挨拶させていただいた時も、本読みが始まる前にお話させていただいた時も、すごく優しい印象でした。また作品に対する向き合い方が、「すごくかっこいいな!」と思いました。
視聴者へのメッセージ
ハルキは本当にどんどん、ことごとく状況が悪化していくので、そこには感情移入はできないと思いますが、「あぁ、かわいそうだなぁ…!」と、逆にそこが面白いと思ってもらえるように、うまくエンタメに昇華したいなと思っています。原作が持つパワーをそのまま引き継ぎながら、ひとつのエンターテインメントとして、ドラマとして、面白いと思ってもらえる作品にしたいと思っていますので、ぜひ楽しんで見ていただけたらと思います。
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