映画「
本作は4人の監督が紡ぐ、感情の欠けた4人の兄弟姉妹の物語。
“喜び”という感情の欠けた長男を演じた嶺は「横浜さんとは『喜びってなんですかね?』と映画の中と同じような状況で相談してました」と回想。「横浜さんも『わからない』と話されていて。でも撮影が進んでいくうちに『あ、今のかもしれない』と思うシーンがあったりして。現場を通して、シナリオではわからなかったことが見えてきました」と明かしつつ、「今は映画が完成して、すごく喜んでます」と笑みをこぼした。“怒り”の感情を持てない長女役で出演した柳は、石井とのタッグについて「青春時代に石井監督の映画を観て憧れた人間。ご一緒できることがすごくうれしくて高校生の頃の私に教えてあげたい」と喜びを吐露。そして「もともと持っているものをないとするのが難しい。どうすればそう見えるのかが課題でした。石井監督はすごく丁寧にお話ししてくださるし、心に密になる演出をしてくださった」と振り返った。
“楽しさ”がわからない次男を演じた井之脇は「映画の現場にいると楽しくて、常に楽しさがあふれてきちゃう。それをどう抑えるかが大変でした」と述懐。劇中には遊園地でのデートシーンがあり、撮影前には実際に遊園地に行く機会を設けたそうで「絶対に楽しまない、笑わない。と思ってたんですけど、遊園地に足を踏み入れた瞬間に、もう笑ってる自分がいて(笑)」と打ち明ける。「でも楽しさがわからなくても、それ以外の何かで彼は心を満たしているんじゃないか?と考えながら、彼なりのデートの仕方を考えて演じました」と続けた。“寂しさ”を持たない末っ子の次女を演じた白田のパートは、4人の中で唯一、東京から離れた田舎町の旅館で撮影されている。白田は「そこがすでに隔離されていて、現場自体に寂しさがある感じでした」と笑って振り返りつつ、「でも、最初は寂しさと悲しみの違いとか、考えることがすごく多くて。守屋監督とたくさん相談して、なんとか無事に撮り終えることができました」と達成感をにじませた。
「almost people」は9月30日より東京・ユーロスペースで公開されるほか、英ロンドンのPHOENIX CINEMA、米ニューヨーク州ローチェスターのDryden Theatreといった海外のミニシアターで同時公開される。日本映画として珍しい取り組みで、会見では海外居住経験のある白田が英語でスピーチする一幕も。井之脇は「日本の映画を海外のミニシアターで同時に公開できるのは本当にうれしい。同じタイミングで海外からのレビューや意見も読めるのかと思うとすごく楽しみです」と話し、守屋も「海外の人は我々が思いもよらぬところを面白がってくれると思う。そこ観てたの!?という感想を聞いてみたいですね」と期待を込めて語った。
関友彦 @tomohikoseki
映画ナタリーさん、いつもご掲載いただきありがとうございます!!
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感情の欠けた人々描く「almost people」、井之脇海が海外での同時公開にワクワク https://t.co/8T1mhzcUo6