写真家・
ソ連軍に抵抗する戦いが続いていた1983年のアフガニスタンで、若き司令官・マスードと交流を深めた長倉。2001年9月9日にマスードはイスラム過激派により暗殺されてしまうが、長倉はマスードが守り続けてきたパンシール渓谷にある学校を支援することを決意する。作中では長倉が同校へ毎年のように通い、子供たちの成長を撮り続けるさまを映し出す。2017年にNHKのETV特集「アフガニスタン・山の学校 マスードと長倉洋海の夢」を手がけた
このたびYouTubeで公開された映像には、1982年にアフガニスタンで出会った3歳の少女へスースが歳を重ねて成長していく写真や、マスードが長倉のカメラに向けた笑顔、支援する学校の子供たちの姿が収められた。柳田は「長倉洋海さんのカメラアイは、魂のコミュニケーションだと、かねて感じてきた」とコメント。元新聞記者の稲垣えみ子は「今も『自分が本当に求めているもの』を、人々との出会いの中で追いかけ続けている、いわば70代の青春映画である」、俳優・タレントの
「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」は9月12日より東京・東京都写真美術館ホールほか全国で順次公開。
映画「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」予告編
柳田邦男 コメント
魂のカメラアイ
長倉洋海さんのカメラアイは、魂のコミュニケーションだと、かねて感じてきた。見る者の心を無条件に惹き付けてやまない紛争地や文明の最果ての地のこどもたちの屈託のない笑顔たち。そして、この映画で最も感銘を受けたのは、アフガニスタンの真の民族的独立を目指していたゲリラのリーダー・マスードの濁りなき少年のような笑顔。品格のある笑顔だ。そして、貧しき建屋の中でも、斜面の草むらの中でも、静かに読書する姿。彼が希求したアフガンの未来とは何だったのか。彼亡き後、長倉さんたち日本の支援団体の基金で建てられた学校でひたむきに学ぶこどもたちの表情を丁寧に追うことで、マスードのスピリッツの存在証明を描き出したのだと、私は受け止めた。
稲垣えみ子 コメント
この映画は、数々の賞を受賞した著名な写真家の輝ける経歴を描いた作品ではない。かつて、決定的瞬間をモノにして世界に打って出んという「わかりやすい野心」に取り憑かれていた普通の若者が、もがき、挫折し、しかしそこから一歩ずつ這い上がって、今も「自分が本当に求めているもの」を、人々との出会いの中で追いかけ続けている、いわば70代の青春映画である。
サヘル・ローズ コメント
銃で奪われた命
鉛筆がもたらした人権
鉛筆で残せた歴史
銃が潤した世界
写真が語りだし
コトバが響き渡る
可哀想
不運
で、片づけられていく
不条理な世界
その、一瞬一瞬を
シャッターで包んでいく
写真に写る少年少女
街並み、人々が
今もこの世界で生きていてほしい
生き延びていくために
銃を握りしめる人々
生き延びるために
鉛筆を握りしめる人々
どちらに
未来が根づくのか
映画を通して
アナタの答えを見つけてほしい。
요시다유키히로 ЁсидаЮкихиро @yshdykhr
【昨年の今日】「写真家・長倉洋海のドキュメンタリー予告公開、柳田邦男“魂のコミュニケーションだ”」https://t.co/F35VWFLoAz
「マスードが守り続けてきたパンシール渓谷にある学校を支援することを決意する。作中では長倉が同校へ毎年のように通い、子供たちの成長を撮り続けるさまを映し出す」