同性愛者が差別によって引き裂かれていく、ジャンニ・アメリオ監督作「蟻の王」予告編

ジャンニ・アメリオが監督を務めたイタリア映画「蟻の王」の予告編がYouTubeで解禁。あわせて場面写真10枚が到着した。

実在した詩人で、蟻の生態研究者でもあったアルド・ブライバンティの史実をもとにした本作。1960年代、アルドは教え子のエットレと惹かれ合いともに暮らし始めるが、同性愛者への差別がはびこるイタリアで、2人は引き離されてしまう。「輝ける青春」「いつだってやめられる」のルイジ・ロ・カーショがアルド、新人のレオナルド・マルテーゼがエットレを演じたほか、彼らを熱心に取材する新聞記者のエンニオ役で「我らの生活」のエリオ・ジェルマーノも出演した。

予告編は、惹かれ合うアルドとエットレが家族や法によって引き裂かれていくさまを収録。若者をそそのかした教唆の罪で逮捕されたアルド、同性愛の“治療”のため矯正施設に送られたエットレの姿が確認できる。カーショは、本作で主演を務めたことについて「どんな困難があっても尊敬するアメリオ監督と仕事をしたかった。脚本を読んで、ブライバンティのことを知り、この作品が持つ社会的な重要性を知るにつれて、自分ができる最大限のことをしたいと思った」と語っている。

「蟻の王」は11月10日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開。なお本作は第79回ヴェネツィア国際映画祭でコンペティション部門に出品され、独立賞5部門を受賞した。

「蟻の王」予告編