映画「
本作は、夫との関係が冷え切った女性・綿子を主人公とした物語。友人の紹介で知り合った木村と頻繁に会うようになっていた綿子だが、彼は事故で帰らぬ人となってしまう。綿子は変わらぬ日常を過ごしながら、夫や周囲の人々、そして自分自身と向き合っていく。綿子を門脇が演じた。
門脇は「脚本を読んだとき、あまりにも文章が素晴らしくて胸がギュッとなりました。本読みをしたときは、『いい作品に出られる』という役者みんなの高揚を感じましたね」と述懐。演劇・ドラマ・映画と多方面で活動する加藤は「映画と演劇は性格が違う。セリフ以外のところでどうやって語っていくのかということを映画として大事にしています」と説明した。
撮影について門脇は「喧嘩のシーンは、“ここから被せてセリフを言う”などすべて書かれています。変な言い方なんですけど、セリフを覚えれば演じるのが簡単なんです。加藤さんの脚本の一番すごいと思うのは、役者が無理してジャンプしなくても気持ちが成立するところ」と語る。門脇を起用した理由を尋ねられた加藤は「いい意味で匿名性のある俳優さんだと思っています。僕は常々、そういうことが大事だと考えています」と回答した。
前作「わたし達はおとな」との違いに関して加藤は「編集にフランス人の方に入ってもらったことです。日本語がネイティブではないので、純粋に日本語としての感覚が伝わるわけではない。物語の何を見ていくのか、話し合いながら進めたのが面白かったです」と口にする。夫・文則役の田村健太郎について門脇は「劇中では仲良くないけど、(田村は)面倒見がいいお兄さん。すごくいい人なんです。ずっと私がしゃべっていても、うんうん、と聞いてくれる」と話し笑顔を見せる。また彼女は「(黒木)華ちゃんは、初めての共演と思えないくらい、やりやすかったです。1発目からカチッとハマる感覚がありました」と撮影を振り返った。
門脇が「リハーサルが始まってから、『綿子好きじゃないかも……』と思いました(笑)」と打ち明けると、加藤は「ブツブツ言うんですよ……(門脇が)『何で綿子はこんなことするの?』と……」とうなずき笑いを誘う。門脇は「綿子はいろんなことから逃げている。旦那さんと向き合うことからも逃げて、木村の死からも逃げる。共感はできないけど、“わかるはわかる”。それが面白いです」と述べた。
最後に加藤は「僕はこういう映画が好きだと思っているので、誰かの好きな1本になればうれしいです」、門脇は「加藤さんは本当に天才だと思う。この才能を皆さんに観ていただけるのがうれしいです。映画好きな人は観たほうがいいですよ!」と呼びかけイベントを締めた。
「ほつれる」は、9月8日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。
関連記事
門脇麦の映画作品
リンク
今井隆文 @meganpa
早く観たいな〜! https://t.co/iaxqEFGaLR