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本作は、黒川博行による小説「勁草(けいそう)」を映画化したクライムサスペンス。特殊詐欺に加担している姉弟が、思いがけず“億を超える大金”を手にしたことでさまざまな巨悪に追われるさまを描く。姉・橋岡煉梨(ネリ)を安藤、その弟・矢代穣(ジョー)を山田が演じた。
安藤は「脚本を読んで、観た人のどこかにネリの存在が残るような役にできたらいいなと思いながら現場に入りました。監督は私が難しいと思うシーンでも、私自身の中にある何かを汲み取って演出してくださったので、難しいながらも楽しく現場にいられました」と述懐。山田も「ポスタービジュアルのジョーの険しい顔を見るとクールなやつかと思うかもしれませんが、本編を観るとまったく違う。ジョーは自分で『サイコパス』と言ってますが、僕はアホなやつだと思っていて(笑)。どこか憎めない愛くるしい弟像を出せないか、現場で四苦八苦して、安藤さんに引っ張っていただきながら演じました」と役作りについて明かす。
2人は本作で初共演を果たした。安藤は「山田くんとご一緒できる、しかもバディ役でと聞いて、すごく楽しみで。自分も知らない自分のお芝居に出会えるんじゃないかなという期待を持って共演に挑みました。そうしたら……まあ……なんとジョーの魅力的なことでしょう!」と言って満面の笑みを浮かべ、初共演の喜びをあらわに。山田は「安藤サクラさんと一緒にお芝居できるなんて、そんな楽しい現場ないだろうと。(安藤は)超いい人です! 変に飾ることもなく。自分のペースがあって、現場が朗らかな空気というか“安藤さんワールド”になる。監督も自由にやらせてくださるので、安藤さんとのお芝居は本当に楽しかったです」と述べ、安藤も「楽しかったね」とほほえむ。原田は「2人とも関西人じゃないのでアドリブが出にくいのが心配だったけど、『ネリもジョーも東京生活が長いから標準語が出てもおかしくないよ』と伝えた記憶があります」と演出に言及した。
ネリのことを幼い頃からよく知る元ヤクザ・曼荼羅(まんだら)役の宇崎は「安藤さんからも山田くんからも元気をいただいていました」と振り返るが、「ただ1つだけ山田くんに……」と切り出す。そして「(ジョーと)2人で走るシーンがあったんですが、ものすごく速くて追いつけなかった。今日、山田くんと僕は47歳違いだと知りました。年寄りに対しての忖度がまったくない!」と嘆き、90度のお辞儀で「すみませんでした!」と謝る山田を見つめながら、「でも楽しく撮影できました」と優しく声を掛けた。生瀬は、安藤との本読みでのエピソードを披露。「原田監督とは初めてだったんですけど、本読みでいきなり厳しい言葉をかまされて。えらいところ来たなと思いながら休憩時間に入ったら、今度は安藤さんが『ウギャー!』と奇声を発し……カオスだったんですよ(笑)。あとから安藤さんは発声やリラックスのためそうすると聞きました。撮影は本当に楽しくて。こんなかっこいい作品に出られてとても幸せです」と述べた。
また安藤や山田と同様、刑事・佐竹役の吉原も関西弁のセリフに苦労したようで「妻が関西人なので、家でセリフを発しては『違う、もう1回!』と言われたのは地獄でしたね」と苦笑い。新井ママ役の天童は「自分で言うのもあれですけど、かわいいイメージの私がとんでもない悪役をやらせていただきました!」とアピールし、謎多き女・林田役で映画に初出演したサリngROCKは「普段は関西で突劇金魚というコンビで演劇をやっているんですけど、こんなところに立たせてもらえる人生になるなんて……」とあふれる喜びで声を震わせた。
イベントでは、本作の「姉弟が向かう先は、天国か地獄か」というキャッチコピーになぞらえて「天国な瞬間、または地獄な瞬間は?」という質問コーナーも。本作の撮影中は、記録的な大雪が降り、雪をCGで消したシーンもあるそう。そのことに触れながら、安藤は「大変なことも多かったけど、こんな大雪なかなか見る機会ないなと思って、ワンカットだけ大雪の中で撮ったシーンがありました。地獄のような作業もあったかもしれませんが、あのシーンが撮れたのは天国でもあったのかなと思います」と噛み締めるように振り返る。山田は、過去に出演した原田の監督作「燃えよ剣」を挙げ、「そのときに使った池田屋のセットと同じ場所で『懐かしい感じがする』というセリフを言えたのは、監督の遊び心と愛を感じたシーンの1つ。あのセリフをあの場所で言えたのは天国でした」と感謝を込めた。
「BAD LANDS バッド・ランズ」は9月29日より全国でロードショー。
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映画「BAD LANDS バッド・ランズ」、安藤サクラと山田涼介、姉弟役で初共演した感想は「魅力的」「超いい人」 https://t.co/HZpFWH95Ji
原作:黒川博行『勁草』徳間文庫