「戦慄怪奇ワールド コワすぎ！」は“原点回帰”、白石晃士とキャストが好きな過去作語る

映画「戦慄怪奇ワールド コワすぎ！」の完成披露舞台挨拶が本日8月22日に東京・新宿ピカデリーで開催され、キャストの大迫茂生、久保山智夏、監督の白石晃士が参加した。

「戦慄怪奇ワールド コワすぎ！」は、「コワすぎ！」シリーズ8年ぶりの新作。プロデューサー・工藤、ディレクター・市川、カメラマン・田代の3人が、ある呪われた廃墟で撮影された怪異を解き明かすため、時空を超えていくさまが描かれる。工藤を大迫、市川を久保山、田代を白石が演じた。

白石は「新作を撮れたことで肩の荷が降りました」と安心した表情を見せつつ、「でも新宿ピカデリーで『コワすぎ！』が上映されるっていうのは……世の中おかしいんじゃないか？」と冗談で笑いを起こす。大迫はにぎわう会場を見渡しながら「この光景はうれしいですね。我々の思いすら吹き飛ばすくらいの、皆さんの熱気が本当にうれしいです」としみじみと思いを口にした。

前作からだいぶ期間が空いたことについて、白石は「スケジュールがどこかで空くかなと思っていたら、どんどん埋まっちゃって。3、4年前に少し空きができたこともあったのですが、そのときは脚本に詰まってしまったんです。でも今回は8年ぶりにしっかり制作期間が取れたので、完成させることを前提に進めました」と説明。久保山は「期間が空いた間は、私もいろいろとほかのことをしていました。ですが新作を撮るときのために準備はしておきたいなとは思ってました」と述べ、大迫は「（工藤が持っていることでおなじみの）バットをいつ置けるのかなと考えてましたよ（笑）。期間が空きすぎると観客の方々に忘れられてしまうんじゃないかと怖かったんですが、皆さんこうやって来てくれて。今日のチケットもすぐに完売したと聞きました」とうれしそうに語る。

今回の怪異のメインは“赤い女”。白石は「以前に作ったプロットでは、かまいたちをテーマにしていました。風をよく見てみると鎌を持った女という設定で、それが流れ流れて今回の赤い女のイメージになっている。あとは『コワすぎ！』の一番最初の話が口裂け女だったので、なんとなくそれにイメージを重ねた、原点回帰的な雰囲気もありました」と経緯を伝える。また舞台となった廃墟は「カメラを止めるな！」と同じロケ地だそうで、「『カメ止め』のことは特に考えていなかったんですよ。でも場所候補の中で、都合と見栄えがよかったから。あの作品と同じになっちゃうけど、まあいいんじゃないですか？ということで（笑）」と裏話を明かした。

最後に「過去シリーズで好きな作品ベスト3は？」と尋ねられると、久保山は「1位は『戦慄怪奇ファイル コワすぎ！ 史上最恐の劇場版』、2位は『戦慄怪奇ファイル コワすぎ！ FILE-02 震える幽霊』、3位は『戦慄怪奇ファイル コワすぎ！ 最終章』。最初の頃は工藤さんと市川の噛み合わせが悪かったですが、だんだん慣れてきて、劇場版ではバディ感も生まれた。役として熱いものが芽生えた作品です」とコメント。大迫は1位に「震える幽霊」、2位に「最終章」、３位に「戦慄怪奇ファイル コワすぎ！ FILE-01 口裂け女捕獲作戦」を選出。「この3本は街の中でロケをしています。生活に密着している場所なので、怖くないですか？ あとは口裂け女の検証動画がすんごいバカバカしくて（笑）、あれが白石晃士なんだなと」と楽しげに白石に視線を送る。

白石は「1位から順に『戦慄怪奇ファイル コワすぎ！ FILE-04 真相！トイレの花子さん』『劇場版』『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ！ FILE-02 暗黒奇譚！蛇女の怪』ですね。シリーズの中でも、『花子さん』は表現の一線を超えられたなと興奮した作品。『劇場版』はいろんなものが噛み合ってハードだし、工藤の熱さが描けた。『蛇女』はアナログなホラー表現がけっこううまくいったのと、誰も近付きたくないようなおじさんを描き切れた。桑名里瑛ちゃんの美しい姿も映像に収められましたしね」と思い入れたっぷりに振り返った。

「戦慄怪奇ワールド コワすぎ！」は9月8日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国で公開される。