本作が高く評価され、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022でSKIPシティアワードを受賞した霧生。物語の舞台は肉体から意識を解放することが可能となった近未来だ。宇宙飛行士になることをあきらめ、地球で働く慶次は、心を病む妻の静と暮らしていた。ある日、彼は新たな宇宙開発のうわさを聞き、静とともに「積極的選択としての死」にも等しい“意識のみの存在”になることへ憧れを抱き始める。
21歳で本作を制作した霧生は「はじめて長編作品を手掛けるにあたり、自分自身、映画が好きになったルーツである『SF映画』の実現を目指し、世界観を構築していきました。本作では、男女を中心とした『世代間のつながり』という小さな単位と自我と意識、時を司る宇宙といった大きな事象とを重ねて、SFの持つ壮大さを最小単位で描いています」と紹介し、「今回の池袋シネマ・ロサでの上映は、私にとって初めての劇場公開となります。多くの人に自分の作品、存在を知覚していただき、たくさんの意見を聞きたいです」と思いを伝えている。なお、プロデューサーの河合真也、アニメーション作家の黒坂圭太による応援コメントは下記に掲載した。
※宮崎良太の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
河合真也(プロデューサー)コメント
「JOURNEY」を初めて観た時、自分が20代前半で「THX1138」に出会った時の感覚に近い何かを感じた。人間の肉体と精神はどういう形で存在しているのか。文明の進化、テクノロジーの恐るべきスピード。宇宙へ旅行に行けるようになりつつある今、大きな俯瞰から見ると、人間の存在とは何なのだろうと考えたくなる。
黒坂圭太(アニメーション作家)コメント
「JOURNEY」に登場する人物や風景は、みな絵画の様に凍結している。だからこそ彼等が動いた時の衝撃度は背筋に稲妻が走るが如くである。ストーリーやキャラクター以前の原初的な興奮、長回しフィックスショットの中で揺らめく光と影、ラスト近くに樹木の下で語らう二人が紡ぎ出す時間軸は、官能的でさえある。それは正に「もうひとつのアニメーション表現」なのだ。霧生監督の切実なる“映画愛”に拍手を送りたい!
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SKIPシティ映画祭で受賞、霧生笙吾が近未来を描く「JOURNEY」10月公開(コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/TrESrz15pu