本作は、越智良知が作・演出を手がけた「劇団うつろろ」による同名の演劇作品を
YouTubeで公開された特報序盤には、穏やかな音楽とともに養鶏場で働く人々の姿が収められている。しかし、「私、良くんとの子供ができました」という咲の言葉を境に雰囲気が一変。あわせて到着したポスタービジュアルには「ワタシタチ、みんな笑顔で籠の中」というコピーが添えられた。
牛丸は「登場人物たちが抱える問題は、子供を産む・産まないの選択や、セクシャリティに関わる個人の尊厳が許されない、現代社会において向き合わなければならない課題にも結びつくものです。『クオリア』では自己犠牲の精神に基づいて行動する人物と、利己的な欲求の為に行動する人物の対比から、個人の尊厳が各々の感覚の内側に存在する、という視点を描いています」と述べ、「特に今あらゆる民衆は、あらゆる国家という単位の社会から受ける問題や影響により、生活が危険や不安に晒されています。私はそういうものに対してこそ、映画という芸術による主張と表現が必要なのではないかと思っています」とつづっている。
「クオリア」は東京のK's cinemaほか全国で順次公開。なお、本作の支援を募るクラウドファンディングがMotionGalleryにて10月18日23時59分まで実施される。
牛丸亮 コメント
映画「クオリア」監督の牛丸亮です。私は20年以上、俳優や制作スタッフとして映画製作に携わってきました。そうしたなかで抱き続けてきたのは、「いつか監督として長編映画を撮りたい」という、強い思いです。本作「クオリア」は、長年の目標であった私にとって、念願の初長編映画となります。
この作品の構想をはじめたのは、2021年。東京・池袋にある小さな劇場で目にした、原作となる同名「クオリア」という演劇作品との出会いがきっかけでした。自らの存在価値を世の中の構造によって定められる、社会への違和感を描いた内容に強く共感し、私の手で映画としてより多くの人に届けていきたいと考えました。
本作は、とある田舎街で養鶏場を営む家族の物語です。登場するのは、その周辺で生きる人々と鶏。人間が鶏に卵を産ませる「役割」を与える、採卵養鶏という産業を土台に、自らも「役割」という籠の中に閉じ込められた人々を描きます。その役割とは性別や年齢、職業などによって強いられた、社会で生きる上でのあるべきとされる姿です。登場人物たちはその役割を果たすことと対峙し、自らが社会の中でどう存在するべきかという問題を抱えて生きています。
登場人物たちが抱える問題は、子供を産む・産まないの選択や、セクシャリティに関わる個人の尊厳が許されない、現代社会において向き合わなければならない課題にも結びつくものです。「クオリア」では自己犠牲の精神に基づいて行動する人物と、利己的な欲求の為に行動する人物の対比から、個人の尊厳が各々の感覚の内側に存在する、という視点を描いています。
特に今あらゆる民衆は、あらゆる国家という単位の社会から受ける問題や影響により、生活が危険や不安に晒されています。私はそういうものに対してこそ、映画という芸術による主張と表現が必要なのではないかと思っています。「クオリア」という普遍的で且つユーモアのある悲喜劇は、様々な人々の心に届く作品であると同時に、人生の選択における提案になると考えています。
賀々贒三(加賀賢三) @catme05
脚本書きました。
よろしくお願いします。 https://t.co/IGt0yYDarQ