今年の3月と4月に先行上映された本作は、昭和20年春、終戦直前のとある村を舞台とした物語。島田家に嫁いだ3人の女性たちは、戦時中で男性が不在の家を守り続けている。長男の妻・智恵は気を病んでおり、三男の妻・恵美は義姉を気遣う日々を送っていた。しかし智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑う次男の妻・陽子。やがて魔物が彼女たちの前に現れる。
2020年に解散した「劇団前方公演墳」の舞台を原作に主宰の小野寺が脚本を書き上げ、劇団の主要メンバーだった
小野寺は「『ほんとう』とはなんなのだろう。いつか見た心象風景。心の中の景色なのに、それはまるでほんとうにあったかのように懐かしい思い出になっている。いつか読んだ小説や、いつか観た映画や、いつかみた絵画はフィクションだったはずだ。だから僕は『ほんとう』を探す映画を製作した」と語り、「先行上映で届いたたくさんの声はそれぞれがまったく違う感想で、鑑賞してくださった皆様が自分のこととしての言葉を届けてくれたことが嬉しかった。それはきっと『ほんとう』を自分の中で体感する何かだったのだと思う」とつづっている。コメント全文は下記に掲載した。
小野寺隆一 コメント
ふだんニュースの話なんかしない人がポロリと「あの自衛隊のヘリの墜落はほんとうに事故なのかな?」と僕に言った。たまたま電車の中で「首相襲撃には黒幕がいると思うんだよね」という声が聞こえてきた。地球の裏側のニュースだってリアルタイムで手の平に飛んでくる時代になったのに、誰もがいつの間にか報道すら疑い始めている。パンデミックの中、ウイルスの由来やワクチンの報道にさらされつづけた僕たちは何がほんとうで何がうそなのかわからなくなっているのか。
SNSには陰謀論が溢れて、口コミサイトではステマを探し、大手新聞がフェイクニュースに踊らされて、芸能人が不倫を否定すれば嘘だ嘘だとヒステリックに喚きたてる。うそばかりの世界で、生きていることの実感はどこにあるのだろう。
「ほんとう」とはなんなのだろう。
いつか見た心象風景。心の中の景色なのに、それはまるでほんとうにあったかのように懐かしい思い出になっている。いつか読んだ小説や、いつか観た映画や、いつかみた絵画はフィクションだったはずだ。
だから僕は「ほんとう」を探す映画を製作した。
先行上映で届いたたくさんの声はそれぞれがまったく違う感想で、鑑賞してくださった皆様が自分のこととしての言葉を届けてくれたことが嬉しかった。それはきっと「ほんとう」を自分の中で体感する何かだったのだと思う。
その声が今回の再上映に繋がったと感じています。「ほんとう」は届く。その実感の日々が今から待ち遠しいです。
ToshikazuOshino(元ハマっ子)🐌✨ @yaseppochineko
㊗️映画「演者」本公開!
多くの方の心に届きますように✨
#演者
小野寺隆一の長編初監督作「演者」11月に本公開、3人の妻の前に魔物が現れる(コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/VkMS4TS2ce