映画「
沢木耕太郎の小説を映画化した本作。不公平な判定で負けアメリカへ渡り40年ぶりに帰国した元ボクサー・広岡仁一と、同じく不公平な判定で敗北し心が折れていたボクサー・黒木翔吾が、ともに世界チャンピオンを目指すさまが描かれる。佐藤が仁一、横浜が翔吾を演じたほか、翔吾の恋人で仁一の姪・広岡佳菜子に橋本、翔吾のライバルで世界チャンピオンの中西利男に窪田、仁一が所属していた真拳ジムの現会長で彼に恋心を抱いていた真田令子に山口が扮する。
横浜は本作に出演するにあたって、ボクシングと本気で向き合いプロテストに合格。佐藤は「撮影のときに(プロテストを)やってみない?という話が出ていました。だけど本当に受験するとは思わなかった。びっくりと、よし!という気分です」と述べる。横浜は「よかったあ」とホッとした様子だった。
また佐藤は、横浜とのミット打ちのシーンを振り返る。「この男のパンチが重くてね」と話す佐藤は、「皆さんが思われている以上にキツいです。ミットは硬いし、こちらからも当てていかないといけない。だけど徐々にアイコンタクトだけでできるようになっていくのは楽しかったですね」とコメント。横浜は「(ミット打ちの相手側が)痛いのを知っているからこそ、最初は躊躇していました。ですが浩市さんから『気にせず本気でこい』と。信頼関係がないと本当に難しいシーンでした。何度も浩市さんに救われたので、この作品で出会えてよかったです」と続けた。
佐藤との本格的な共演は初めてと言う橋本は「最初は緊張していました。怖いって(笑)。ピリピリした現場なんじゃないかと思っていたら、全然! 印象が180度変わりました。和やかな雰囲気で、スタッフさんもやりやすかったと思います。私たちの味方でいてくれるんですよね」と明かす。佐藤は「現場で冗談ばっかり言ってますよ。最近は若手に嫌われるんです、しゃべりすぎて(笑)」と照れた表情をのぞかせた。
実写映画に出演するのは、1996年公開の「スワロウテイル」以来となった山口。出演のきっかけを問われた山口は「そりゃあもちろん、浩市さんですよ。浩市さんラブですから(笑)。俳優としてすごく尊敬していて大好きなんです!」と告白する。また横浜や橋本との共演について「力をいただきました。フィクションでありながら一種のドキュメンタリーを観ているような、皆さんのリアルな成長と本気度を間近で見ている感覚でした。本物の輝きを目の当たりにして感動しました」と語った。
トークは、横浜と窪田が対峙した本格的なボクシングシーンの話題に。横浜は「自分も格闘家を目指していたので、やはり格闘家への敬意は絶対に持たないといけない。失礼のないようにという思いがあったからこそ、(ボクシング指導・監修を担った)松浦慎一郎さんには『今までにないボクシングシーンにしてください』とプレッシャーをかけていました。それに応えてくださったので、本当に感謝しています」と思いを込める。
2人の試合シーンを目の当たりにした佐藤は「役者としても役としても、負けたくない!という気持ちが前のめりに伝わってくる。ワンカットワンカットにそれが映っています。ハードルを上げても見応えのあるシーンになっている」と力強くアピール。瀬々も「あまりの速い動きにカットがかけられなかったほど。それくらい迫真の演技でした。ぜひ注目していただきたい」と絶賛した。
「春に散る」は8月25日より全国でロードショー。
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負けたくない!「春に散る」佐藤浩市、横浜流星VS窪田正孝のボクシングシーンを絶賛 https://t.co/qa6r4Yjrq0
原作:沢木耕太郎『春に散る』朝日文庫