東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞した「沈黙の自叙伝」9月に公開

第23回東京フィルメックスのコンペティション部門で最優秀作品賞を受賞した映画「自叙伝（原題：Autobiography）」が「沈黙の自叙伝」という新しい邦題で、9月中旬から東京のシアター・イメージフォーラムにてロードショー。全国で順次公開される。

監督を務めたマクバル・ムバラクの長編デビュー作「沈黙の自叙伝」は、暴力と欺瞞に満ちたインドネシアの近現代史を寓話的に描いた物語。主人公の青年ラキブは、退役した将軍プルナが所有する空き屋敷で、たった1人の使用人として働くことになる。ラキブに対して立場を超えたように親身に接するプルナ。ラキブも仕事と生活の中で天職を見出す。そして地元の首長選挙に立候補した将軍の選挙キャンペーンが始まり、2人の運命は大きく動き出す。

ラキブ役のケヴィン・アルディロワ、プルナ役のアースウェンディ・ベニング・サワラのほか、スワラ・ユスフ・マハルディカ、ルクマン・サルディらが出演。第79回ヴェネツィア国際映画祭では国際批評家連盟賞を受賞した。第23回東京フィルメックスの国際審査員長リティ・パンは、本作を「見事な演出による自信に満ちた映画スタイル。巨大な網に対する個人の抵抗の探求が次第に権力構造の不穏な邪悪さへと変化する様子を描いている」と評している。