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本作は父親の訃報を知った42歳のフリーター・陽子が、24年間帰っていなかった故郷の青森・弘前に向けてヒッチハイクで向かう物語。TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2019の脚本部門で審査員特別賞を受賞した
主演の菊地は「ずっと陽子が登場する映画なので、お客さんの目を離さない芝居ができるか不安に思いながら歩んだ東北の旅でした。キャストとクルーの皆さんに本当に支えられました」と振り返る。上海映画祭の受賞式について尋ねられると、「ノミネートされた方々がたくさんいらっしゃる中、私たちは会場のど真ん中の席にいたんですよ。受賞者はわりと端の席になるみたいで、右にも左にも出られないから『これは(受賞は)ないな。でも来られてよかった』と冗談で話していたんです(笑)」と明かし、「初めて観客に観ていただく機会だったので、温かく迎えられたのが伝わってきて、なおかつ賞をもらえてうれしかったです」とほほえんだ。
共演者たちは、陽子が旅の道中で出会う人々を演じた。熊切と5作目のタッグとなる竹原は「久しぶりだったので、監督の一挙手一投足や口癖が相変わらずで、胸がギュッとしました。カットを掛けたあとに『いいっすね』って言うのが昔からの口癖で。今回は『ナイスカットですね』という初めての口癖が増えていました」とうれしそうに話す。黒沢は菊地に対して「言葉を交わさず黙っていても時間を共有できている喜びがあり、お会いできて本当によかったと思えました」と感謝した。
オダギリは撮影時のエピソードを披露。「菊地さんと話すシーンを撮ったあと、朝ドラの撮影ですぐ大阪に行かなければならなくて、メイクを落としたら顔半分と首にじんましんが出ていたんですよ。ヤバいと焦ったけど、菊地さんが座っていた側は何もなってなかったんです。何か効能があるのかな?」と不思議がるオダギリに、菊地は困惑しながらも「ブツブツになったって言われるよりはいいかな!」と笑いを漏らした。
最後に熊切は「コロナ禍の影響もあって久々に撮れたのがこの映画です。清らかな気持ちでワンカットワンカット丁寧に撮ったので、ぜひ味わってください」と呼びかける。2001年に熊切の「空の穴」に出演したことがある菊地は「約20年前、役名のある作品に出て熊切監督に映画の楽しさや面白さを教えていただき、また20年後、漠然とした不安がある中でいただいたのが今回の役でした。どこか皆さんの心のひだに伝わるものがあるようにと願っています」と語り、舞台挨拶の幕を引いた。
「658km、陽子の旅」は7月28日より東京・ユーロスペース、テアトル新宿ほか全国で順次公開。
Chiaki @ Dorama World ドラマワールド @doramaworld
Completion screening event of new movie "658km, Youko no tabi" at Theatre Shinjuku on 10 Jul 2023 - Kikuchi Rinko, Takehara Pistol, Kurosawa Asuka, Yoshizawa Ken, Fubuki Jun, Odagiri Jo & Kumakiri Kazuyoshi; showing from 28 Jul 2023
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