「山女」山田杏奈が山男・森山未來の説得力語る「違う生物に会ってしまったみたい」

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映画「山女」の公開記念舞台挨拶が昨日7月1日に東京・ユーロスペースで行われ、キャストの山田杏奈二ノ宮隆太郎、監督の福永壮志が登壇した。

「山女」公開記念舞台挨拶の様子。左から二ノ宮隆太郎、山田杏奈、福永壮志。

「山女」公開記念舞台挨拶の様子。左から二ノ宮隆太郎、山田杏奈、福永壮志。

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「山女」ポスタービジュアル

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柳田國男による説話集「遠野物語」から着想を得た本作は、18世紀後半、大飢饉に襲われた東北の村を舞台とした物語。少女・凛が禁じられた山奥に足を踏み入れ、伝説の存在として恐れられる“山男”と出会うさまが描かれる。福永は「前作の『アイヌモシリ』を作ったときに、アイヌの昔話を通して、当時の人々の生活が伝わってきたんです。では、日本の民話、伝説からは何が見えてくるのか、という流れで『遠野物語』に行き着きました」と話し、「そこで、人間と自然の関わり方や、社会の成り立ちなどについて感じた現代との共通点を映画にすることで、日本って、日本人ってなんだろう?ということを探求したいと思ったんです。そのうえで今制作する意味として、現代にも通じるものを脚本の中に織り込んでいきました」と制作経緯を紹介した。

「山女」場面写真

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「山女」場面写真

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自身が演じた凛について山田は「今とは時代背景が違うんですけれど、自分の人生に翻弄されながらもとてもたくましく生きていて、強い人だなというのをまず最初に感じました。私だったら、あそこまでの環境に置かれたらあきらめてしまうかもしれないようなことでも、凛は屈しない人だなと」と語る。そんな山田のキャスティング理由を福永は「希望を感じられる方じゃないと見ていてつらくなってしまうと思ったんです。山田さんなら何があっても地に足をつけて屈しない凛を演じてくれると期待しました」と説明。山田は撮影を思い返し「そこに存在するっていうことがとても大事で、どうやって存在し続ければいいのかということと向き合う期間でした。でも、ロケーションや、周りにいる方々の雰囲気で、(自分が)凛としていることが自然に感じられたので、福永監督がそういう雰囲気を作ってくださってたんだなって思います。とても充実した時間でした」と述べた。

二ノ宮隆太郎演じる泰蔵。

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凛の幼なじみ泰蔵役の二ノ宮が「自分は、凛にとっての役割をまっとうしようと思いました。はい。役割をまっとうしようと思いました」と緊張した様子で振り返ると、山田はすかさず「2回言ってる!(笑)」とツッコみ、「とにかく“役割”がキーワードになってますよね」とフォローする。二ノ宮は「自分は不器用なんですけど、福永監督には寄り添っていただけましたし、山田さんは穏やかに見守ってくださって、とてもありがたかったです」と感謝を伝えた。

森山未來演じる山男。

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凛と信頼関係を築く謎の存在・山男を演じたのは森山未來。山田が「森山さんは、違う生物に会ってしまったみたいな、呼吸の仕方とかが動物で、そういう説得力を強く感じました」と言うと、福永は「実はあとからその寝姿を写真で見て、これはいい画だなって思って、劇中の昼寝しているカットはそれをきっかけに足しました。もともとの脚本にはなかったんです」と裏話を披露する。

最後に山田は「いろんな視点で観ることができる映画だなと思いますし、今、外は暑いですけれど、どこか清々しい気分にもなって映画館をあとにできる映画でもあります」とアピールした。

「山女」は公開中。

※「アイヌモシリ」の「リ」は小文字が正式表記

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(c)YAMAONNA FILM COMMITTEE

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