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第76回カンヌ国際映画祭でクィアパルム賞とコンペティション部門の脚本賞を受賞した「怪物」。公開初日から2週間が過ぎ、3週目にして観客動員数が100万人を突破する勢いだ。客席にはすでに繰り返し観ている人も多く、中には「5回以上観た人?」という質問に挙手する観客もいて、登壇者たちを驚かせた。
周囲の反響について、安藤は「聴いているラジオでも次々と『怪物』の話をしていて、すごいんだなって思います」と実感を伝える。永山は「一番多いのは『言葉にならない』という感想ですね。取材を受けてきて、オブラートに包んで話さなければならなかった部分もあったので、公開後はどう話せばいいかわからなくなって。この映画のよさはお客様のほうが理解されてる気がするので、僕自身も言葉にならない気持ちです」とコメント。是枝は「仲間である若い映画監督たちからは『いつもより演出に迷いがない』『編集のキレがいい』『もう自分で脚本書かないほうがいいんじゃないか』と“温かい”メッセージをいただいております」と淡々と語る。安藤が「それを聞いてどんな気持ちになるんですか……?」と尋ねると、是枝は「悔しい気持ちもなくはないけど、(脚本の)坂元裕二さんと一緒にやったことを吸収して、次は自分で無駄のない脚本を書こうという気持ちになっています」と謙虚に口にした。
黒川想矢演じる主人公・湊の母を演じた安藤。印象深かったシーンについて、湊が病院の帰り道に走り出すシーンを挙げた安藤は「想矢くんが弾けた瞬間を目の当たりにして、その反応に乗っかっていくあの時間にワクワクしました」と振り返る。是枝は「いいシーンだったね」とほほえみ、当初は湊がしゃがみこむ演出の予定だったが、リハーサルで変更になったと説明する。「なんとなく違う気がして『しゃがまなくていいよ』と伝えたら、(黒川が)走り出してサクラさんが追いかける芝居に変わり、絶対こっちのほうがいいとなった。でも予定と違ったから道の先まで照明がなくて、日を改めて撮影し直しました」と裏側を明かし、柔軟に対応した技術スタッフたちに感謝の意を示した。
また永山は、クリーニング店に野呂佳代(演じる客)が入ってきた際の安藤のリアクションに言及。「あの動きをした役者さんを見たことがない。すごいものを見ました」と感心する永山に、安藤も「私も瑛太くんの瞬発的な身体表現にワッて思っていました」と返答する。是枝は「究極的に言うと、役者さんは運動神経(が大切)だと思います。スポーツではなく、体をコントロールする能力の高いほど優れた役者だとすると、この2人はそれがとても優れている。演出していて楽です」と持論を展開した。さらに土砂崩れで横倒しになった列車のシーンにも話が及び、安藤と永山が泥を必死にかき分ける場面について「カメラを置く位置は決めていたんですけど、実際に雨を降らせるとこう見えるのかと。夜空の星のようにも見えるし、あんなふうに手が感情を伝えるなんて。現場で発見できたカットでした」と振り返る。
本作は190以上の国と地域での展開が決定。安藤は「国内だけでもさまざまな角度からの感想があるので、また角度が増える。すごく面白いだろうなと感じます」と期待を口にする。さらに安藤は「質問が1個あって」と切り出し、「喫茶店で隣にいた奥様が『怪物』を観たいけど怖そうとおっしゃっていて。インスタでも『ホラーですか?』と質問されたり。でも、ある意味怖い?と思って……『怖くない』と言って大丈夫ですか?」と確認を取る。是枝が「たぶん予告編の血からイメージしている怖さだと思う。サクラさんが言う怖さは“人間とか社会の怖さ”だと思うから。『ホラーじゃないですよ』でいいかも」というアドバイスをすると、安藤は「『ホラーじゃないですよ』と添えて人に薦めてもらって」と呼びかけた。
「怪物」は全国で上映中。
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だいざえもん #戦争反対 #NoWar #нетвойне @daizaemon14
本年9回目 #映画鑑賞 #だいむび
#是枝裕和 監督 #怪物
深い。予告編からの想像とは
全く違う展開の連続だった‼️
↓ホラーじゃないですよ
確かに😌世界で評価されるの納得。
改めて色んな視点、立場で物事を
とらえないとなと🤔
是枝監督やはりすごい
#怪物をみた
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