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実話をもとに、39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫とその家族の9年間の軌跡を描いた本作。貫地谷が妻・只野真央、和田が夫の晃一を演じた。
和田は本作のオファーを受ける前に、身近な人が若年性アルツハイマー型認知症と診断されたことに触れ「そのときはこの病気についてそこまで詳しく知りませんでした。そのあとすぐにこの作品の話をいただいて、僕自身がもっとこの認知症について知らなければならないときなんだなと思ったんです」とタイミングに運命を感じたと振り返る。貫地谷は「(若年性認知症にまつわる映像作品は)私の世代だと悲しいお話のイメージがあったんですけど、台本を読むと本当に前向きに進んでいる方の話だったので、新しい認知症の“認知”として受け取ってもらいたいと思って参加しました」と語った。
丹野は、自身が映画のモデルになると聞いたときのことを回想し「うれしかった反面、本当にありのままの私を描いてくれるのかなという(心配があった)。認知症は大変な感じに脚色されやすいですけど、私はこうやって元気なんですよ」と話す。貫地谷と和田に対しては「本当に優しい人で、お二人に演じてもらってよかったなと思っています」と感謝を伝えた。
役作りに話題が及ぶと、貫地谷は「和田さんは現場で本当に頼もしくて、動じないし、いつも笑ってて安心感がある。そんな人が、自分が認知症だと知って苦しんでいる様子を目の前で見たときに『守ってあげなきゃ』という気持ちが湧き上がってきた。和田さんのおかげで真央になれたと思っています」と述懐。和田は貫地谷について「母性の塊なんです、この方は。母親に抱きしめられる子供のような気持ちをこの作品の撮影中に何度も感じました。貫地谷さんが妻役ということにどれだけ助けられたか、そしてどれだけこの作品に欠かせない存在なのかを、映画を観ればわかるんじゃないかなと思います」と力説し、互いへの信頼をのぞかせた。
完成した作品を貫地谷・和田とともに試写で鑑賞したという丹野は「今こうやって元気だけど、本当につらかった時期もあったし、怒ったり泣いたりしたこともある。それを忠実に表してくれているなと思ってうれしかった。映画を観終えて『あんな姿誰にも見せられない』ってくらい大号泣しました」と打ち明ける。そんな彼の言葉を受け、貫地谷は「自分が参加した作品なんですが『本当にこんなにいい人たちがいる世界があるのか』とどこか疑っていて。でも試写後に丹野さんが『まんまだった』と伝えてくれて、世の中ってまだまだ優しさにあふれているんだなと、こちらが感動させられました」と笑顔で口にした。
最後に丹野は「ハンカチ持ってきた?」と呼び掛けて観客の笑いを誘い、「(認知症だと診断されてから)10年経っても、こういうふうに笑顔で生きている人が実際にいることを知ってほしいと思っています。楽しんで観てください」と声を張る。和田は「認知症の治療法が新しく開発されていくのと同様に、映画での描き方も進歩しています。認知症になっても闘う人、生き続けていく人が描かれる映画ができていくし、その第一歩が『オレンジ・ランプ』だと思います。この映画から笑顔が広がっていくことを願っています」と伝え、イベントを締めくくった。
貫地谷しほりの映画作品
リンク
Chiaki @ Dorama World ドラマワールド @doramaworld
Completion screening event of new movie "Orange Lamp" at Yurakucho Asahi Hall on 30 May 2023 - Kanjiya Shihori & Wada Masato; showing from 30 Jun 2023
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