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本作は、水を信仰する“緑命会”という新興宗教に傾倒する須藤依子を中心にした物語。彼女とその家族を通して、“現代社会が抱える闇や不安”が描き出される。
公開初日を迎えた今の気持ちを尋ねられた荻上は「笑ってもらえたらいいな。こんなブラックな題材で笑っちゃいけないんじゃないかと思わず、遠慮せずに笑ってもらいたい」と述べる。これまで「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」「川っぺりムコリッタ」などを手がけてきた荻上だが、今作はテイストの異なるテーマに挑んだ。その意図を問われると「私のことをいい人なんじゃないか、すごく料理が上手なんじゃないかと思われている方がたくさんいると思いますが、そうじゃないぞと。私はこんなに意地悪で、邪悪で、本当に嫌なやつなんだと、この映画で伝えたかった」と笑い混じりに答えた。
筒井は自身の演じた依子について「彼女はいろんな苦しいことがあっても自暴自棄にはならない」と分析し、「私もそうなんです。以前、ものすごく大変なことが重なってつらい時期があった。このままじゃいけないと思い、映画の脚本を書きました」と明かす。その本はある俳優に渡したと言い、「主演をやってほしかった。ぜひ読んでくださいと渡してから7年? 10年くらいかな。この間ご一緒したら、まだ読んでないって(笑)。ぜひ読んでください!」と告白した。
また、自身の父の介護を依子に押し付けていた夫・修に扮した光石は「台本通りにやっただけです!」と振り返る。続けて、「監督は本当に優しくて人間味があるんですが、1割くらいブラックなところがあるなと常々感じていました。台本を読んだときに、ここで出してきたか!と。ものすごかった。女性は何かこう、包み込んでくれるような存在だと思っていたのですが、打ちひしがれましたね」と荻上を称賛する。
一方で磯村は、依子と修の息子・拓哉役で出演。「ご一緒したい女優さんだった」と筒井について話す磯村は、「お芝居が本当にお好きなんだなと現場で感じました。僕もその心をずっと大切にしたい」と述懐する。光石については「かっこいいジャージ姿で現場に来られるんです。僕が『光石さん、それストリートじゃないっすか!』と言うと、ハマってしまったみたいで『俺、ストリートだぜ! イェイ!』って毎回現場で言ってた」と頬をゆるませる。光石も「ちょっとハマってた」と笑みをこぼした。
現場では光石が磯村に「俺のポジション取るなよ!」と言っていたことが荻上の口から暴露される。磯村は「バイプレイヤーじゃないですか、光石さんは。僕もいろんな作品にちょこちょこ出させていただいてるので、『俺の仕事取るなよ』って怒られたんです(笑)。怖かったですよ」と明かす。光石は「(磯村のことを)ライバルだと思ってさ」と赤面していた。
「波紋」は全国で公開中。
筒井真理子の映画作品
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はなはな @oUF6p7JDRaKkPdM
波紋の舞台挨拶行ってきた!
かもめ食堂の荻上監督作品。
ブラックユーモア効いてて、何度も会場で笑い声が上がってた。
失踪してた旦那が戻ってきたり、新興宗教の話だったりと重い話かと思いきや、大変な事ほど笑いで乗り切る逞しさと軽やかさを感じる映画だった! https://t.co/s9dHF7d6IK