公式イベントの前日5月22日には、6人そろってメディアの前へ。北野は「映画人にとって、カンヌ映画祭はステータス。ここに来られただけでも光栄」と喜びを見せた。西島は「20年前に『Dolls』で北野監督にヴェネツィア国際映画祭に連れて行っていただき、今回は初めてのカンヌ映画祭に連れて来ていただいた。大きな経験として学んで帰りたい」と期待を語る。
加瀬は「最初に来たときの印象と今回は随分違って、より盛り上がりを感じている。北野監督の新作で、みんなで来られてうれしい」と歓喜し、中村は「僕は初めてのカンヌで、昨日着いてすぐに大森さんとこのあたりを散歩して、夜中までえらい盛り上がりだった」と現地の雰囲気を伝えた。浅野は大島渚の監督作「御法度」で、役者として参加した北野と訪れたカンヌを想起しながら「(北野)監督の作品で来られたことがうれしいですし、また強烈な作品でご一緒できてうれしい」とコメント。大森も「北野監督の作品で初めて来られてうれしくて、楽しみでした」と感無量の様子をうかがわせた。
翌23日、カンヌの青空に映える爽やかな装いで集まった6人は、各国の報道陣を前に堂々たる表情で撮影に応じる。夜になるとレッドカーペットが敷かれた会場に移動し、フォトコールでのカジュアルな装いとはうって代わって6人は正装で姿を現した。北野は「アウトレイジ」以来13年ぶりのカンヌということもあり、貫禄たっぷりに堂々と歩き、「キタノー!」という熱狂的なファンの歓声に手を振る場面も。そしてカンヌ国際映画祭代表のティエリー・フレモー氏と熱い抱擁を交わして再会を喜び合った。
その後ドビュッシー劇場にて「カンヌプレミア部門」での公式上映が行われ、「首」を世界初披露。場内には1068席を埋め尽くす観客が駆け付けた。約141分の本編の終盤、エンドロールに北野の名前がスクリーンに映し出されるやいなや、早くも場内からは拍手と歓声が巻き起こり、上映が終わると約5分にも及ぶスタンディングオベーションが。その熱気に感謝しながら、北野は「もっといい作品作ってまた来ます」と照れくさそうにコメントした。
無事に公式上映を終えたのち、改めて感想を聞かれた北野は「編集やりながらずっと観てたので、寝ちゃうかなと思っていたけど……久々に大画面で観て、まあまあかなって感じ(笑)」と照れ笑いしつつ、「ここにいる役者さんたちには本当によくぞやっていただきました」と感謝。西島は「観客の皆様が集中して笑いながら観てくださって胸がいっぱいです」と噛み締め、加瀬も「映画が始まる前から、監督がものすごい熱気で迎えられているのも本当に素晴らしくて、上映中のリアクションもよくて、上映後の拍手にも熱気がこもっていたので楽しんでいただけたんだと実感しました」と手応えをのぞかせる。最後に北野は「カンヌで温かく受け止めてもらえたので、日本のお客さんも同じように受け止めてくれたら幸い」と日本のファンに向けて呼びかけた。
11月23日に全国公開される「首」は、北野の著書を自ら実写化した“戦国スペクタクル映画”。本能寺の変を軸に、戦国武将、忍、芸人、百姓それぞれの野望、裏切り、運命が描かれる。YouTubeでは新たなプロモーション映像が公開中だ。
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北野武の新作「首」にカンヌ熱狂、西島秀俊や加瀬亮も手応え「胸がいっぱいです」 https://t.co/zatTRM6kZQ
原作:北野武『首』KADOKAWA