第94回アカデミー賞で作品賞を含む主要3部門を受賞した映画「
本作は、4人家族の中で唯一の健聴者である少女ルビーが、歌の才能を見出され、名門音楽大学への進学を目指す姿を描いたヒューマンドラマ。作品名に使われた“コーダ(CODA / Children of Deaf Adults)”は、耳が聞こえない、もしくは聞こえにくい親のもとで育つ子供のことを示す。また同じつづりの“CODA”は楽曲の終わりを指す音楽記号として用いられ、1つの章が終わり、また次の章が始まることを象徴している。
監督と脚本は「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」の
このたび、作品のファンで、金曜ロードショーのアンバサダーに選ばれたフリーアナウンサー・
金曜ロードショー「コーダ あいのうた」
日本テレビ系 2023年6月16日(金)21:00~22:54
宇垣美里 コメント
昨年のアカデミー賞で作品賞を受賞した「コーダ あいのうた」が地上波初放送! 私の大好きな作品です。
この作品は、イキイキとしたろう者を描いた作品でありながら、普遍的な誰もが共感できる親子の話でもあり、青春映画でもあり、音楽映画でもある、万人に刺さる作品になっていると思います。
特に私が好きなポイントは、手話という言語の豊かさです。
実際に耳の聞こえないろう者の方が演じているという部分もあるのだと思うのですが、とにかく手話という言語がこんなにもイキイキしているのだということを私はこの作品で改めて知ることができました。
一番それを感じたシーンは、ろう者ではない主人公が「どうして歌を歌うの? 歌を歌うときにどんな気持ちになるの?」と先生に聞かれて、言葉では説明できなくて手話で伝えるシーンです。彼女にとって手話は“コーダ”(ろう者の子ども)であるからこそ第一言語で、だからこそ、この気持ちを、「手話なら」表現できるというのが、それだけで伝わってくる…この言葉って何て豊かなんだろうっていうことがわかるシーンでした。
おすすめのシーンはまだまだありまして、特に皆さんに非常にささるんだろうなと思うのが、音楽発表会のシーンです。
観客の前で主人公はじめ、合唱グループのみんなが歌を歌うのですが、そのシーンの中で一瞬無音になるんです。それが主人公の家族が、その瞬間をどのように受け止めているのかっていうのを、私たちにも体験させてくれるシーンになっています。
もちろんそれは耳の聞こえる人にしか開かれていない表現ではあるのですが、それによって家族が、「彼女の歌いたいという気持ちを、どうしてわからない、理解し得ないのか?」ということが伝わってきます。
その後に、それでも「彼女がどうして歌いたいのか、歌っているときにどういう風な表現なのか?」というのを知りたくて、父親役のトロイ・コッツアーさんが手を差し伸べるシーンがあるんですけれども、もう!そこが堪らなくて…。
きっと分かり得ないし、完全に理解することはできないとは思うのですが、それでも知りたくて手を伸ばす。その姿勢というのは、こんなにも尊くて美しいんだと思いました。
本当に素敵な作品なので、多くの方に見て頂けたら嬉しいです!
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岸田奈美|Nami Kishida @namikishida
これはほんまにええ映画 https://t.co/fozJcfs2RM