ウォン・カーウァイ「若き仕立屋の恋 Long version」が劇場初公開

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ウォン・カーウァイが監督を務めた「若き仕立屋の恋 Long version」が劇場初公開。東京・シネマート新宿にて4月14日より1週間限定で上映される。このたびポスタービジュアルが解禁された。

「若き仕立屋の恋 Long version」ポスタービジュアル

「若き仕立屋の恋 Long version」ポスタービジュアル

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本作はミケランジェロ・アントニオーニの呼びかけによって「エロス」をテーマに制作されたオムニバス「愛の神、エロス」の1編。2004年のヴェネツィア国際映画祭で非公開のプレミア上映作品として発表され、その後、尺が12分延びた56分のロングバージョンとして2018年の北京映画祭において上映された。英題は「The Hand」。

「若き仕立屋の恋 Long version」場面写真

「若き仕立屋の恋 Long version」場面写真[拡大]

「若き仕立屋の恋」は1960年代の香港を舞台に、仕立屋見習いの若者チャンが、美しい高級娼婦ホアと出会い魅了される物語。チャンは何年にも渡って、ホアがほかの男たちのために着飾る服を愛情を込めて作り上げていく。「さらば、わが愛/覇王別姫」のコン・リーがホア、「ブエノスアイレス」のチャン・チェンがチャンを演じた。

2003年、香港でのSARS流行下において撮影された本作。ウォン・カーウァイはかつて発表したステートメントの中で「人々が常に互いに意識したのは『何にも触れてはならない』ということでした。私たちは、いつも手を洗わなければなりませんでした。常に触れるだけで感染する恐れがつきまとう。私は“触ることについての映画を作る時が来たのかもしれない。それが、どのように伝染するかについて”と考えました。それはSARSについてではなく、“エロス”の話になったのです」とつづっている。

「若き仕立屋の恋 Long version」は兵庫のシネ・リーブル神戸でも4月14日から上映。大阪・シネマート心斎橋、京都・京都シネマでも順次公開される。

ウォン・カーウァイ ステートメント

「若き仕立屋の恋」は2003年に制作開始したものの、香港がSARSに見舞われ、すぐに停止を余儀なくされました。そのときの香港は、街全体が死んでしまったかのようで、ネイザンロードも毎晩空っぽでした。タクシーの列はすべて空車でした。平時であればもっとも混み合うレストランに足を踏み入れましたが、やはり空席ばかりでした。とても恐ろしい光景です。そして人々が常に互いに意識したのは「何にも触れてはならない」ということでした。私たちは、いつも手を洗わなければなりませんでした。常に触れるだけで感染する恐れがつきまとう。私は“触ることについての映画を作る時が来たのかもしれない。それが、どのように伝染するかについて”と考えました。それはSARSについてではなく、“エロス”の話になったのです。

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