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門井慶喜の同名小説を実写化した本作は、詩人、童話作家として知られる宮沢賢治の生涯を父・政次郎の視点から描いた物語。生活力がなく父に金を無心する“ダメ息子”は、病気になったトシを励ますため童話を書き、文才に目覚めていく。役所が政次郎、菅田が賢治、森が賢治の妹トシに扮したほか、坂井が政次郎の妻・イチ、田中が政次郎の厳格な父・喜助、豊田が賢治に憧れる弟・清六を演じている。
菅田との初共演について聞かれた役所は「最高です」と即答し、すかさず菅田も「最高です」と応答。役所が「もともと菅田ファンでしたし、いつか一緒にやりたいと思っていまして。宮沢賢治という役が菅田くん以外に思い付かないぐらい合ってる役でした」と続けると、菅田は「恐れ多いです」と謙遜しつつ「僕は“役所広司教”なので。こんな幸せな時間はないという思いでした」と振り返る。
菅田は童話作家のイメージが強かった宮沢賢治を身近に感じることができたと話し「家族の話や身近に起きたことの心情を描いた作品も多い。作品から人間味に触れられた」と明かす。「教科書の中の文豪」という印象があったという森は「少し固く考えていたんですけど、原作や台本を読んで、こんなにユーモアのある人に囲まれて生きていた人だったんだと知って。改めて作品を読んでみると、何倍も面白く感じて。高校生のときに知っていたら何倍も楽しく教科書を開けていたのに(笑)。学生の人にも気軽に観に来てほしい」と呼びかけた。
役所は実在の人物を演じるうえで意識した点を「今回は方言ですね。花巻弁。できるだけ花巻の人たちに笑われないぐらいのレベルまでいきたいと思ってました」と話しつつ、「あとは現場に行って、家族の顔を見たり、セリフを聞いたり。そういうことをしながら、政次郎という役がだんだんとできあがった気がします」と打ち明ける。豊田は「皆さんに少しでもなじめるように、現場でたくさんお話をさせていただいた。そこから1歩1歩、清六を演じていこうという気持ちでした」と述懐。役所が「撮影がないときも見学に来ていて。偉いなあと思いました」と明かすと、豊田は「本当に貴重な経験だと思っていたので、とにかく見逃さないように、聞き逃さないように。毎回現場に行ってました」と振り返った。
チェロの演奏シーンもある菅田は数カ月の練習を経て撮影に臨んだ。本編にも実際に菅田が演奏し、その場で録音された音が使用されている。「最初は指さえ動いていればいい」というオファーだったが、徐々に求められるハードルが上がっていったそうで「お芝居しながらは大変ですし、同録でうまくやるのもなかなか難しい。今回はそんなトライをさせていただけた。だから、ちゃんとサントラに入ってほしい。『チェロ:菅田将暉』と書いていただいて」と冗談交じりに語った。
「銀河鉄道の父」は5月5日より全国ロードショー。
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役所広司、菅田将暉との初共演は「最高」、親子演じた「銀河鉄道の父」完成 https://t.co/O6muKnDdHh
原作:門井慶喜『銀河鉄道の父』講談社文庫