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斎藤は原作との出会いを振り返り「事故に遭ったような衝撃が走って、自分の現在地を描かれてしまっている気がしたんです」と述べ、「映画を観終わったあと、楽しかったと思っていただくのもいいのですが、グサリと刺すような何かが訪れてくれたらいいなと願うばかりです」と語る。
本作のプロデューサーも担当したMEGUMIは「竹中さんが『この作品をやりたいんだよ』ってバーで熱く語っていて、そのほとばしるようなエネルギーに感動しちゃったんです。酔った勢いで『お金集めます!』って言っちゃって。無我夢中で竹中さんに付いて行きました」と思い返す。また「女性はうっすら傷付くようなことがあっても、まあまあ大丈夫かと、そこにあまり向き合わないと思っているんです。でも男性はそこにフォーカスする。この作品に携わって改めてそう感じました」と伝えた。
竹中は「浅野いにおという作家、1人の観客に向けて作った作品。その共犯者として、みんなのタイミングが合って作れました。それぞれが主役だと思ってワンカットワンカット丁寧に撮っていけたと思っています」と述懐。竹中組の撮影が早く終わることに話が及ぶと、「スタッフに無理はさせたくないんです。『これ何に時間がかかってるの?』っていう現場があったり、朝まで撮っているような信じられない現場もあって。そんなのスタッフがヘロヘロじゃん。健康的に撮りたかったんです」と思いを口にする。それを受けたMEGUMIは「迷いのない竹中さんの演出に感激していました」と笑みをこぼした。
「エンディングの『ドレミ』ができあがったときは鳥肌が立った」と話す竹中。楽曲を手がけた志磨は「映画を観終わったあと、感情を引きずってもらうためにああいう曲が必要な気がしたんです」と言い、「竹中さんからビートルズの『Don't Let Me Down』のような曲はどうかな?って言われて。『がっかりさせるな』という意味なんですけど、深澤は自分にがっかりしているんですよね。だから、自分自身に『俺をがっかりさせないでくれよ』というような歌詞にしました」と明かす。
最後に斎藤は「この作品は現代版の『人間失格』というか。世の中に残っていくものって、ポジティブなエンタメより、本質を突いたある種ネガティブなものだと思っているんです」「皆さんにこの作品を育てていただけたら」と願いを込め、イベントの幕を引いた。なおイベントでは、3月20日に67歳の誕生日を迎える竹中にサプライズで花束が贈られる一幕もあった。
「零落」は全国で公開中。
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First-day event of new movie "Reiraku" at Ikebukuro HUMAX Cinemas on 18 Mar 2023 - Saito Takumi, MEGUMI, Shima Ryohei & Takenaka Naoto
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