「ブエノスアイレス」は南米を舞台に、愛し合う男たちの葛藤を描く物語。
津田健次郎 コメント
20世紀の終わり、ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルが放つ空気はとにかくカッコ良かった。疾走する彩度の強い映像は目に焼き付き、詩的な言葉と空虚の向こうに感じる体温が心に沁みた。だが、時代の空気を纏った映画は時の流れに色褪せノスタルジーの彼方へ消えていくのかもしれないとも思った。時を越えスクリーンに映し出された映画は今も躍動していた。輝きは失われていなかった。それどころか、今の空気に触れることで新しい色も見せてくれた。ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルが放つ空気は今もカッコ良い。今回「ブエノスアイレス」の吹替えに参加させて頂くことをとても光栄に思います。鮮烈な映像の奥に揺れる体温を僅かでもお伝え出来ればと思います。
内田夕夜 コメント
稽古の合間にイグアスの滝のランプを何度も検索しました。収録の前に日比谷公園のレスリー・チャンさんのベンチに行きました。収録の後にスタジオでスタッフさんと長々と話し込みました。触れていたく、離れ難い作品でした。あまりにも生々しい自分を聴かれる恥ずかしさもありますが、ウィン役の声優として関われた光栄が勝ります。ありがとうございました。一生忘れません。
小林親弘 コメント
「人が人を好きになることの豊かさや痛み」今よりずっと若い頃にこの映画を見たとき強く感じたことです。当時は見終わって暗い気持ちになったのを覚えています。しかし今は「人生の変化を受け入れて先へ進んでいくこと」という言葉が最初に浮かびました。どちらかといえば明るく前向きな気持ちです。あれからただいたずらに年齢を重ねてきただけの人生な気がしていましたが、この映画と再会して自分の内面にこんなに変化があったんだと発見することができました。ウォン・カーウァイさんの映画にはとてつもない没入感があります。今まさに出来事がそこで起きているかのような、不思議な魅力が。自分がこの作品に関われる日がくるなんて本当に光栄なことです。是非お楽しみいただければとおもいます。
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