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橋爪駿輝の小説をもとにした本作では、理想と現実のギャップに溺れながら社会や自分と向き合う若者たちの姿が描かれる。北村が上司のパワハラに“消えてしまいたい”と思い詰める〈僕〉、中川が何事も“楽しければいい”と刹那的に生きるユウスケを演じ、松岡が結婚こそすべてと信じる菜穂、古川が何者にもなれず“特別になりたい”と願う〈私〉に扮した。
「演じた役に共感したポイントは?」という質問に北村は「役との共通点を聞かれることが多いんですけど、いっぱい感じることってないんです。でも、今回演じた僕は理不尽の中に生きていて、自分と近いものがあるなと感じました」とコメント。中川は「ユウスケはテレビマンの仕事をしているんですが、先輩から『何が楽しくてやってんの?』と聞かれる。目標に向かっていくことがすべてになっちゃうと、なんでそこに向かっていたんだっけ?と、走り出した瞬間のことを忘れてしまう。あの言葉がユウスケの立ち止まるきっかけになっていますが、僕もグサッときました」と振り返る。
松岡は「テンションが高い人と低い人を分けたときに、高い側になる人はキャラクターを決められがちだと思うんです。ユウスケと菜穂はそっちで、キャラクターを演じなきゃいけない。これって思い当たる人もいると思うんです。キャラクターに羽交い締めにされる感じ。“元気寄り”な人が陥るものですよね」と分析する。〈僕〉に一番共感したという古川は「殻に閉じこもることで自分から社会を否定しにかかる。意地になっている感じ。そういうものがいまだにぶり返すときがあって、〈僕〉はそういうときの自分を見ているような感じでした」と語った。
イベント中盤には、本作の物語にちなみ「今年踏み出したいこと、始めたいこと」というテーマで登壇者がトークする場面も。北村は「今年、ゴルフを始めました。頭がゴルフ一色で、今ぶんぶんスイングしています。大志が先にやっていて、現場でもゴルフの話をしていたんです。それもきっかけになってやりたいなって」と思い返す。松岡が「大人! ゴルフをするようになっちゃったの?」と声を掛けると、北村は「ふとお尻を引き上げたりしてます(笑)」と返す。続く中川が「換気扇のフィルターの掃除をしたいですね。小虫が何匹か死んでいて……」と言うと、北村は「今、皆さん、大志の家が汚いってイメージに(笑)」と会場を見やる。中川は「家はきれいですよ!」ときっぱり否定した。
松岡は「レモンピールをたくさん作るときに、酸で指先がちょっと溶けちゃうので、くじけて途中からレモンの皮が分厚くなっていくんです。そうすると全然おいしくならないので、今年は全部おいしくしたいです」と宣言。北村が「まず手袋しよ!」と、中川が「割とすぐに気付けること(笑)」とツッコむと、松岡は「換気扇が汚い人に言われたくない!(笑)」とツッコミ返し、会場の笑いを誘った。
最後に清水は「何回も観てもらえる作品だと思って作りました。1回とは言わず観てほしい」とアピール。中川は「この映画に登場する4人は、これでいいのかな? 自分の生きる場所はどこなのか?ともがいている。彼らを見て、もがいているのは自分だけじゃないんだって感じてもらえたらうれしいです」と願いを込める。北村は「この映画には形にならない感情や憤りが詰まっていて、その先に見える小さな兆しみたいなものもちりばめられています。この4人は1人の人間のいろんな角度にも見える。だからこそ共感してもらえる映画になったと思っています。皆さんの感想が楽しみです」と期待し、イベントの幕を引いた。
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