「ハケンアニメ！」が日スポ映画大賞の作品賞、主演賞は阿部寛と倍賞千恵子

第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞の受賞結果が本日12月27日に明らかに。吉野耕平が監督した「ハケンアニメ！」が作品賞に選出された。

辻村深月の小説を原作とする「ハケンアニメ！」は、もっとも成功したアニメの称号「ハケン（覇権）」のために奮闘する者たちを描くお仕事ムービー。このたびの受賞を受けて吉野は「この作品は2つのアニメと1つの実写、3作品分のスタッフの力を合わせた作品。作品賞をいただけたのは名誉ですし、とてもうれしいです」と喜びを伝えた。

監督賞に輝いた「流浪の月」の李相日は「『怒り』以来6年ぶりに映画を撮ることができました」「とにかく素晴らしいキャストが集合している。その全身全霊のありよう、スタッフの献身が結晶した映画だと思います」とコメント。外国作品賞は1986年公開作「トップガン」の続編となる「トップガン マーヴェリック」に贈られた。

また演技部門では、「とんび」「異動辞令は音楽隊！」の阿部寛が主演男優賞、「PLAN 75」の倍賞千恵子が主演女優賞を獲得。「ハケンアニメ！」「川っぺりムコリッタ」「夜明けまでバス停で」などの柄本佑が助演男優賞、「キングダム2 遥かなる大地へ」「ある男」「異動辞令は音楽隊！」などの清野菜名が助演女優賞、「冬薔薇」「PLAN 75」「ある男」「女子高生に殺されたい」などの河合優実が新人賞に輝いた。

阿部は「とんび」「異動辞令は音楽隊！」で自身が演じた役に触れつつ「スクリーンから飛び出してくるような生命力が出せればと思って演じました。監督、キャスト、スタッフ、すべての方に感謝したいと思います」と語り、倍賞は「（「PLAN 75」の）スタッフが一番喜んでくれるんじゃないかと思います。映画を愛し、観てくださる皆さんのために、これからも心を大切にしながら精進してまいります」と述べる。

柄本は出演作の撮影を振り返りつつ「楽しく思えた日々は間違いではなかったと思っています。このような大変な賞をいただきまして、恥じることのないように日々精進させていただきます」と、清野は「このような賞をいただくのは初めて。撮影を一生懸命がんばってよかったなと思います」と述懐。河合は受賞を喜びながら「慢心せずに、変わらずにいたいと思っています。映画を観ていただける皆さんと出会えることを心から楽しみにしています」と笑顔を見せた。

そして、石原裕次郎新人賞を手にしたのは道枝駿佑（なにわ男子）。ファンが選ぶ最高演技賞にも選ばれたほか、主演作「今夜、世界からこの恋が消えても」がファンが選ぶ最高作品賞を獲得し、3冠となった。道枝は「これからも巡り合う作品を少しでも彩れる俳優になって、ここに帰ってこれるよう精進していきたいです」と真摯に口にする。

石原裕次郎賞は、原泰久のマンガを実写化した「キングダム2 遥かなる大地へ」が受賞。主演を務めた山崎賢人は「大切に撮影した作品なのでうれしいです」と喜び、「熱い気持ちを持って、（観ている人を）勇気づけられる作品が作れたことを幸せに思っています」と語る。監督の佐藤信介は「非常に苦労も多かった作品です。このような賞をいただけて驚きましたし、うれしく思っています」と伝えた。

毎年、石原裕次郎の誕生日である12月28日に開催されてきた本イベント。今年は選考委員の1人でもあり、フリーアナウンサーの笠井信輔が司会を務め、YouTubeで結果が配信された。

※山崎賢人の崎は立つ崎（たつさき）が正式表記

第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 受賞結果

作品賞

「ハケンアニメ！」

監督賞

李相日「流浪の月」

主演男優賞

阿部寛「とんび」「異動辞令は音楽隊！」

主演女優賞

倍賞千恵子「PLAN 75」

助演男優賞

柄本佑「ハケンアニメ！」「川っぺりムコリッタ」「夜明けまでバス停で」など

助演女優賞

清野菜名「キングダム2 遥かなる大地へ」「異動辞令は音楽隊！」「ある男」など

新人賞

河合優実「冬薔薇」「PLAN 75」「ある男」「女子高生に殺されたい」など

外国作品賞

「トップガン マーヴェリック」

石原裕次郎賞

「キングダム2 遥かなる大地へ」

石原裕次郎新人賞

道枝駿佑

ファンが選ぶ最高作品賞

「今夜、世界からこの恋が消えても」

ファンが選ぶ最高演技賞

道枝駿佑