「たまこラブストーリー」「リズと青い鳥」などでタッグを組んだ
“思春期の青春”をテーマとする本作。長崎市内のミッション・スクールに通う高校生のトツ子は、人の感情が「色」として見える。友達や家族の色を暗くしないように、その場を取り繕うような嘘をついてしまうトツ子。彼女は、ある古書店で出会ったとても美しい色を放つ少女と、音楽好きの少年とバンドを組むことになるのだった。
音楽を「映画『聲の形』」「リズと青い鳥」の牛尾憲輔、企画・プロデュースを「すずめの戸締まり」のSTORY inc.、制作・プロデュースをテレビアニメ「平家物語」のサイエンスSARUが手がけた。山田は「絵具を混ぜるパレットのような、または光を集めて分散させるプリズムのような、そんな物語を描いていきたいと思っております」、吉田は「観てくださった方が、それぞれの『色』を愛おしく思えるような映画になっていると、うれしいです」とつづっている。
※公開が2023年秋から2024年に変更となりました
山田尚子 コメント
人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから「きみの色」は始まりました。
人はきっと、その時向いている方向に進んでいくわけで、それが前であっても後ろであってもどちらでも成り立っていくと思うのですが、できれば前に進んでいきたい。
音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたいと思っています。
吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミングです。
悩んだり、何かを変えようとするときに起こる摩擦は、これからを切り開いていくためのとても大切な成長痛であって、その痛みがそれぞれの人が放つ色になっていくのかなと思うのです。
たくさんの色が出会って、混ざり合った先にはどんな色の世界が待っているのでしょう。
絵具を混ぜるパレットのような、または光を集めて分散させるプリズムのような、そんな物語を描いていきたいと思っております。
よろしくおねがいいたします。
吉田玲子 コメント
「きみの色」は、山田監督の「こういうことやりたいなぁ、こういう子たちを描きたいなぁ」というメモをいただいて、そこから脚本を作り始めました。
《色が見える女の子》というのは山田監督のアイディアで、すごく映像的で面白いなと感じました。
山田監督の作品は、登場人物たちがおずおずと手と伸ばし扉を開いていくような感じがあって、今回もその感覚を大切にしました。そこにある世界と、自分。そこにある現実と、自分。触れると痛いような傷ついてしまうようなものの中で、楽しさや愛しさや生命力を見出していくことを意識しながら書きました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています。
「きみの色」はある意味、原点に戻ったようでもあり、今までの集大成的な面もありながら、さらに新しく踏み出していけるような作品になるのではないかと思っています。
光の当たり方によって、濃く見えたり、淡く見えたりはしますが、誰もが自分の「色」を持っていると思います。観てくださった方が、それぞれの「色」を愛おしく思えるような映画になっていると、うれしいです。
tsun @tsuntsuku2
こちらは2022年12月3日の『#きみの色』制作発表時の記事
山田尚子監督と吉田玲子さんのコメントがあります。 https://t.co/JwpD7fGMKu