「の方へ、流れる」は11月26日より東京の池袋シネマ・ロサ、K2、神奈川のシネマ・ジャック&ベティほか全国で順次公開。なおK2では同日より竹馬の特集が行われ、「
宇多丸(RHYMESTER)コメント
恋とは、相手の「他者性」にこそ生じるもの……だとするならば、それはなんと寄る辺なく、不気味なものであることだろう。さながら、ロマンティックな幻想を根こそぎ剥ぎ取られほとんどノワールと化してゆく「ビフォア・サンライズ」。最小限のセッティングで最大限の効果を生み出す竹馬靖具の手腕は、本作でいよいよ広く知られるところとなるだろう。
狗飼恭子(作家・脚本家)コメント
わたしたちは一体どこに連れていかれるんだろう。主人公の二人と共に観客も流される。誰も主体を持たず。目的はあるようでなく。いや、ないようである? 分からない。ただ流される。「 」の方へ。「 」ってなんだ? そこに入るのは「愛」なのか? 恋愛映画を観ていてこんなに不安になったのは、初めてだ。
児玉美月(映画執筆家)コメント
わたしたちがバスに乗り込み掴む吊り革は、どこかの誰かが掴んだであろう吊り革にほかならない。この街(せかい)に生きるということは、そんな微温的な交差を繰り返すことなのだろう。
どこへ向かうのかもわからぬまま、出逢ったふたりは歩き続ける。偶然訪れた出逢いが束の間で途切れてしまうのか、はたまた永遠に続いてゆくのか、そのどちらの可能性も等しく維持して映画は進む。その危うさから、一瞬も目が離せない。
相田冬二(Bleu et Rose / 映画批評家)コメント
彼女は、なにを見ているのだろう。
彼を見ているのか。
自分を見ているのか。
なにも見ていないのか。
それとも、スクリーンごしに、わたしを見ているのか。
わからない。
だから、唐田えりかの方へ、流れる。
ずっと。これからも。
いつまでも。このままで。
伊藤洋司(中央大学教授)コメント
最近の日本の恋愛映画は「分かるけれど、何かちょっと」と思う人に、ぜひ観てほしい恋愛未満映画だ。人生が変わっていたかもという、忘れかけていた過去の経験を思い出して胸が苦しくなるかもしれない。本当のなかに嘘があり、嘘のなかに本当があるこの映画だが、竹馬靖具監督と女優の唐田えりかに才能があるのは本当だ。
相田 冬二(Bleu et Rose) @aidatoji
映画『の方へ、流れる』のためにコメントを寄せました。
WEB限定の唐田えりかさんのビジュアル、とてもいいですね!
今週土曜、11.26公開ですよ🎞 https://t.co/kCchaDl5L4