「
本作は日本各地の廃墟を舞台に、災いのもととなる“扉”を閉めていく旅をする少女・岩戸鈴芽(すずめ)の解放と成長を描く長編アニメーション。11月11日から17日までの7日間で興行収入27.7億円、観客動員数200万人を記録している。新海は「200万人はちょっと信じられない数字ですね。僕が昔アニメーションを作り始めたときの最初の上映館は50人で満員になって。50人に拍手をいただいただけで人生が変わるような感激でしたのに、本当に言葉にならないですね」としみじみ。続いて3人の後方の幕が振り落とされると、観客の感想で埋め尽くされたメッセージボードが登場する。3人は1つひとつのコメントをじっくり眺めながら「『エンドロールのときにこの映画を作ってくれてありがとうと思った』。これはまさに自分と同じ感想です」「『もう好き、全部好き!』、語彙力を失っている方もいますね」と読み上げた。
全国舞台挨拶キャンペーンにて兵庫・大阪を訪れてきたばかりの3人。松村は「劇場に足を運んで思ったのは、いろいろな世代でいろいろな育ち方をした方たちが、観終わったあとに同じような顔(表情)をされていて。それが何よりも言葉を超えた反響だと感じました」と実感を込めて語る。現地での舞台挨拶では、観客との質疑応答もあったようで、原は「緊張して言いたいことを言い出せない小さいお子さんに松村さんが素敵なフォローをなさっていました」と振り返ると、新海も「『なんて素敵な待ち時間なんだろう』とおっしゃっていました。さすがですね」と称賛。松村は「新海さんの紳士ぶりを受け継いで、まねしようとしたんです」と謙遜していた。
オーディションの話になると、新海は「メディアで『アニメ声優に初挑戦』と報じられていましたが、僕は“初挑戦”ではなく2人が欲しかったんです。菜乃華さんにすずめ、北斗くんに草太をやってもらうことがこの映画にとって重要なことで。技術やお芝居も大事ですけど、すずめや草太と一緒に悩みながらなんとか映画を完成まで導いて、一緒に届けてくれるのがこの2人だと確信したんです」と力説する。原は「うれしさもありましたが、それ以上に重圧が押し寄せて。その気持ちはいったん扉に閉じ込めて、目の前のアフレコのために練習しました」と回想。松村が「新海さんが『子供を見つけるように』とおっしゃっていて。あの言葉は温かく、今さらながら安心しますね」と感謝すると、新海は「もっと早く言えばよかった(笑)。自分の作品は子供のようなもので。自分の子供だったら一目で見分けられるように、作品にとって大事な人なんだとすぐわかりました」と手応えをのぞかせる。イベントでは新海が書き下ろしたセリフを原と松村が生アフレコするコーナーも行われ、会場と全国の中継先の観客を沸かせた。
さらに芹澤役の神木隆之介の話題も。「君の名は。」で主演を務めた神木と親交が深い新海は「数日前に会いに来てくれたんです」と切り出し、「映画が公開され、不安になりながら1人で居酒屋のカウンターで飲んでたら『監督今何してるんですか?』と。深夜だったのに『俺、今から行きますよ』と来てくれて、カウンターに2人で座りながら作品の話をしました」とエピソードを明かした。
「すずめの戸締まり」は全国で上映中。
関連記事
原菜乃華の映画作品
リンク
みかづき🦕 @PAmk59112
原菜乃華・松村北斗との出会いは“子供を見つける”ようだった、新海誠が振り返る(写真11枚) - 映画ナタリー https://t.co/eDgEBrZiuP