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平野啓一郎の小説をもとにした本作は、弁護士の城戸章良が他人として生きた“ある男”へ複雑な思いを募らせていくさまを描いたミステリー。舞台挨拶には城戸役の
第79回ヴェネツィア国際映画祭や第27回釜山国際映画祭で上映された「ある男」。窪田が映画祭参加のために搭乗した機内を振り返りながら「サクラさんとはずっとしゃべっていて、私服はこういうのを着てるんだなとか、何気ない日常を見られて貴重でした。妻夫木さんは英語の勉強をされたり、映画を観られたりしていて。席が近かったのでチラチラ盗み見してました」と明かすと、妻夫木は「僕だけ知らないおじさんの隣だったので自分の世界に入るしかなかったんです」と笑顔で語る。石川が安藤と窪田の話をずっと聞いていたことを吐露すると、安藤は「やだ! 恥ずかしい」と照れた表情に。また安藤は、妻夫木と窪田の仲の良さに言及し「うちの夫(柄本佑)と一緒に3人でボクシングをしていて、私もさみしいからボクシング始めようと思いました」とチャーミングに話した。
豪華キャストと知的なストーリーであるが故に、「俺が関わってええんかな?」と感じていたという小籔は、妻夫木との撮影について「たくさんしゃべりかけてくるんですよ。僕はセリフでいっぱいっぱいだからしゃべりかけてほしくなかったのに」と冗談を交えながら回想する。一方、妻夫木は「(小籔と)撮影前に食事に行ったんですが、記念日とかにしか行けないような場所に連れて行っていただいて、奢っていただきました」と感謝の気持ちを伝えるが、小籔は「撮影終わってから会ってもごっつよそよそしい」と不満げ。妻夫木は「嘘つかないでくださいよ!(笑) さっきもお久しぶりですってすごいしゃべったじゃないですか。怖い怖い、好感度を下げにかかってる」と慌てた様子で述べた。また清野は「妻夫木さんと小籔さんが現場でずっとおいしいレストランの情報交換をしていて。舞台挨拶が終わったらその情報を聞こうと思います」とコメントする。
2009年2月9日生まれの坂元は、安藤扮する谷口里枝の息子・悠人を演じた。撮影は2021年1月から3月に行われたため、坂元と会うのは久々だという安藤は「こんなにかっこよくなったのかという驚き! 素敵に成長していて、それが私はこんなにうれしいのかという」と目を潤ませる。窪田も「めっちゃイケメンになってる」と感慨深そうにしていた。
安藤にとって「ある男」は、久しぶりにメインキャストとして撮影に臨んだ映画。妻夫木が「びっくりしたんですが、安藤さんがどんよりした顔で『私この仕事向いてないからやめようと思うんだ』と現場で言っていて。これで引退しちゃうのか……と。でもそのあと『安藤サクラ主演!』みたいな情報をテレビで観て、佑と会っても『全然仕事してますよ』って(笑)」と“引退詐欺”に遭ったことを明かすと、安藤は「自信を喪失した状態で撮影に入ったんですけど、やっぱり現場が大好きで。自信がなくても続けていこうと思った作品です」と当時の心情を思い返す。続けて妻夫木は、清野と撮影するも本編からカットされた新幹線のシーンに触れ、「DVDの特典にでも」と石川に目配せした。
そして妻夫木は観客へ「僕はこの作品でダメな自分も認めてあげるのが大事だと気付かされました。そうすることで、意外と幸せはそこらへんに転がっていると思える。いい映画を観たあとに映画館を出ると、なんでもない景色がすごくきれいに見える瞬間がありますが、皆さんにとってもそういう映画になっているとうれしいです」とメッセージを送った。
「ある男」は全国で公開中。
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