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佐藤泰志の短編小説をもとにした本作では、破壊衝動を内に秘めた売れない小説家・慎一と、愛をあきらめかけたシングルマザー・裕子のいびつな“半同居生活”が描かれる。山田が慎一、松本が裕子を演じた。
山田は「今作の現場で城定監督は“ただその場に存在していた時間”を切り取ってくれました。こういう作品がやりたかったんだ!と思えました」と述べ「まりかさんとは5作品くらい共演させていただいています。この空気感は“初めまして”の女優さんとはできなかった」と笑顔で松本を見やる。
対する松本は「こういう作品でお声掛けいただけたことが感慨深かったです」とオファー時を振り返り、「15歳でデビューして、こういったタイプの作品にとても憧れていたんです。ただ映像作品に出る機会がなかなかなく、私はスクリーンの中には入れない人なんだと心のどこかで思っていました」「でも目の前のことをがむしゃらにやって、気付いたら20年前から行きたかった世界に来られた。すごくうれしかったです」と思いを口にした。そして「山田裕貴さんは人間力がすごい、すさまじいんですよ。“生命体”なんです。(撮影では)この生命体から何が出てくるんだろうと面白くてワクワクしました。山田裕貴という生命体に加えて、(子役の森)優理斗という同じく素晴らしい生命体もいました」と松本節全開で説明。そのあと松本が少し不安げに「伝わってる?」と言うと、山田は「俺はめっちゃ理解しています」と真剣な面持ちでうなずいた。
自身が演じた慎一について、山田は「彼の行動はすべて『愛してください』『誰かに見つけてほしい』っていう叫びに聞こえるんです」「慎一は、干渉はされたくないけど人と関わりたいという葛藤を持った人。表現がめちゃくちゃ下手な人でもあるので、僕も彼に共感はしつつ、こうはならないようにしないとと思わされました(笑)」と分析。続く松本は裕子を「掴みどころがない人」と表現し、「今自分が求めているものがはっきり見えていないし、わざと蓋をしているような人です。それが当時の自分に重なった部分もあったので、それをそのまま利用して演じた感覚があります」と回想する。また制作経緯を尋ねられた城定は「候補(の原作)は何個かあったんですが、観終わったときに一歩前に踏み出せる、明るい気持ちになれるものを選びました。佐藤さんの作品の中で家族を作る話はなかなかないイメージだったので、チャレンジしたいと思ったんです」と答えた。
MCから「慎一と裕子の関係をどう思う?」と質問されると、山田は「この役をやってから、めちゃくちゃ慎一の気持ちがわかるなと思ってしまって。自分と相手の感覚をすり合わせる中で、相手の感覚を変えてほしいと思った時点で、それは相手を許容できてないということなんじゃないかと考え始めてしまいました。距離が近いせいでそうなるなら、距離を保つ。でもそこには愛は存在しているという状態で……」と丁寧に言葉を紡ぐ。松本は「曖昧な関係性は耐えられないし、私は形を求めてしまう」と当初否定的だったそうだが「作品をやってみて『そういうことか、これはありだな』と。枠に囚われたり、形がないと不安なのは自分が子供だからなんじゃないかと感じたんです。1つ成長させていただきました」と変化を語った。
「夜、鳥たちが啼く」は、12月9日より新宿ピカデリーほか全国でロードショー。
※「夜、鳥たちが啼く」はR15+指定作品
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