「ファスト映画」投稿者に5億円の賠償命令、損害額は20億円に及ぶと算定

映画を10分程度に短く編集した「ファスト映画」を権利者に無断でアップロードした2人に対して、東京地方裁判所は本日11月17日、著作権侵害による損害賠償金5億円の支払いを命じる判決を言い渡した。

被告側は「ファスト映画」を作成し、YouTubeにアップロードすることで広告収入を不当に得ていたとして、2021年6月に著作権法違反の疑いで宮城県警察本部と塩釜警察署に逮捕・起訴され有罪判決が確定していた。今回の訴訟は、原告である東宝・東映・松竹など13社が損害額を20億円相当であるものと算定し、このうち最低限の損害回復を求めるものとして、5億円の一部請求を支払いとして求めていたもの。被告となった投稿者は3人だったが、今回判決が言い渡されたのは2人で、残りの1人は日本から出国しているという。

判決について、コンテンツ海外流通促進機構（CODA）と日本映像ソフト協会（JVA）は「私たちの主張を全面的に認めた判決であり、著作権侵害に対する大きな抑止力になるものと考えます。近年のほかの著作権侵害事件と比較しても認容金額が大きく、著作権侵害のやり得を許さず、原告13社が一致団結して行動し、このような判決を得られたことの意義は大きいと感じています」とコメントしている。なお本日、判決を受けての記者発表会が東京都内で行われた。