橋本愛、飛躍するには「世界を見渡すことが大事」東京国際映画祭の開会式で語る
2022年10月24日 21:04
7 映画ナタリー編集部
第35回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが本日10月24日、東京・東京宝塚劇場で行われた。
今年は「飛躍」をテーマに、メジャー大作からアート作品まで世界中から集まった作品が上映。東京の日比谷、有楽町、銀座エリアをメイン会場に、新型コロナウイルスの影響で規模を縮小していたレッドカーペットイベントが3年ぶりに復活し、上映作品も昨年の126本から169本へ。海外からのゲスト招聘も本格的に再開し、規模を拡大しての開催となる。
日比谷の文化・芸術の象徴として長年親しまれている宝塚劇場でのセレモニーということで、オープニングアクトとして元・宝塚歌劇の柚希礼音、紅ゆずる、美弥るりか、七海ひろきがパフォーマンスを披露。男役として活躍した4人が、ハリウッドのヒット映画をミュージカル化した「オーシャンズ11」の「FATE CITY」を歌い踊り、会場の観客のみならず生中継の視聴者たちをも魅了した。
フェスティバルアンバサダーを務めるのは橋本愛。「小さな島国の中、これだけ豊かで繊細な感性が育っているんだとしみじみ感じます。日本映画の好きなところは湿度の高さ。その場所の空気や自然の豊かさがダイレクトに伝わってくる、生活感のある作品が好きです」と述べ、映画祭のテーマに絡めて「どんどん飛躍していくためにも、まずは世界を見渡すこと、知ることが大事だと思います」と伝える。またアンバサダーとして「上映時間や場所が決まっている映画祭で映画を観るという体験は、ある種の制約に自分が向かうことで出会える、特別なご縁になると思います。気軽に遊びにいらしていただけたら」と呼びかけた。
またコンペティション部門の審査委員長を務めるジュリー・テイモアをはじめ、審査委員であるシム・ウンギョン、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス、柳島克己、マリークリスティーヌ・ドゥ・ナヴァセルも登壇。アメリカ、韓国、ポルトガル、日本、フランスから集った面々で審査することに対し、テイモアは「今コロナや戦争で世界は分断されていますが、私たちがもう一度クリエイティブでひとつになれると思えることが大事。人や場所への共感を映画祭で得られたら」と真摯にスピーチした。
最後は映画祭のオープニングを飾る「ラーゲリより愛を込めて」より、主演の二宮和也と監督の瀬々敬久が壇上へ。先ほどのレッドカーペットイベントでトリを飾り、二宮は「最後って大所帯で華やかに歩くイメージだったけど(監督と)2人で。皆さんのご想像と違う形になってしまったかな」と苦笑しつつ「観に来た方から声を掛けていただいたり、取材を受けたり、3年ぶりにできているんだと実感して込み上げてくるものがありました」と感激をあらわにする。
同作で二宮は、第2次世界大戦の終結後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)で捕虜たちの一筋の希望の光となった山本幡男を演じた。二宮は「戦争がもたらした後遺症を描いた作品ですが、人間のすべての感情が詰まっていると思う。つらくて重たくて苦しいのが続くけど、その先にある希望や愛、日本人の絆がより深く刺さるのではと思います」とアピール。そして映画祭の開会に際して「たくさんの国の素晴らしい作品が集まった“お祭り”です。僕らの作品は楽しむに特化していないのでコメントがチグハグしちゃいますけど、いろいろな映画を一気に観られる期間ですので、よろしければ我々の作品も楽しんでください」と語りかける。瀬々も「遠い世界のことではないと思って観ていただければ。戦争やコロナ禍でつらい状況ですけど、希望を語り続けた人物を描いた映画です。エンタテインメントの力を皆さんに感じてもらい、明日もまた生きようと思ってもらえたらうれしいです」と思いを込めた。
第35回東京国際映画祭は11月2日まで開催。
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