本日10月12日、愛知の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)でジブリパークの会見が行われ、
11月1日に同園内にオープンするジブリパーク。2017年6月に構想を表明した大村は「オープンまで約5年5カ月。1日でも早くお届けしたい、お見せしたいという思いから、ある意味突貫工事で進めました」と笑顔を見せる。11月1日に「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」エリアが開園するほか、2023年秋には「もののけの里」、2023年度内には「魔女の谷」がオープンを控えており、大村は「どんどん発展していきます。愛知県の公園と、スタジオジブリさんのコンテンツのハイブリッド施設として、世界中の皆さんに楽しんでいただければと」と呼びかけた。
宮崎吾朗は、大村に構想から開業までの期間を聞かれた際「(三鷹の森ジブリ)美術館が3年だったので5年くらいですかね」と答えたという。「無事にできてよかった」と安堵の表情を見せた宮崎吾朗は「1期の工事が終わってホッとしてはいますが、2期が佳境なのでぼーっとしてる暇は我々にはありません。間に合わせて知事とのお約束を果たしたいと思います」と決意を述べた。またジブリパークのきっかけは、
ジブリパークの建設にあたり、建築材料は最初から意識していたという宮崎吾朗は「『ジブリの大倉庫』の中央階段にはタイルがたくさん貼ってありますが、愛知の瀬戸や常滑で焼かれたものです。可能な部分には地場のものを使っています」とこだわりを明かす。続いて、スタジオジブリ作品のテーマの1つである「自然」を、パークの建設にどう落とし込んだか問われると「ジブリパークはもともと存在していた公園内に作られています。まず考えたことは、建設することが公園の利用者を減らしてしまったり、やたらと木を切る、地形を改変したりすることにつながってはいけないということです」と回答し、「建物は建物としてあるだけで美しいのではなく、横に木が1本あることで風景として美しくなる。これは宮崎駿が常に言っていることで、僕もそう思います。(建設にあたり)木があることの恩恵を受けており、我々は助けてもらっているんです」と根底にある考えを伝えた。
三鷹の森ジブリ美術館との連携について質問が飛ぶと、宮崎吾朗は「美術館は僕らにとって本山。スタジオジブリ作品に限らず『アニメーション映画を作るというのはこういうことだ』というのを宮崎駿が表現した大事な場所です。それを拡大した形でジブリパークとの連携を取れていったらいいなと思います」と展望を示す。すでに連動している部分もあると言い、「『ジブリの大倉庫』を作ったきっかけは、展覧会をやるたびに造形物を作ってしまい、それが倉庫にたまって困っていたという事情があります。ジブリ美術館では今後もいろいろ作ってここに持ち込むでしょう」と表情をゆるめた。
またジブリパークの今後に関しては「我々が最初にこの場所に関わったのは、2005年に『サツキとメイの家』をパビリオンとして建てたことです。それを万博(2005年日本国際博覧会)後も残していくことになったんですが、今回のお話につながったのは『サツキとメイの家』がきちんと残っていたからだと思うんです。小さな家ですけど毎年かなりの方が訪れてくださっていた。なのであまり拡大主義には走らずに、あるものをいい状態で維持していくことを心がけたほうがいいかなと思います。大村知事や愛知の皆さんから3期、4期というご要望があればやらざるを得ないのかな、大変だなーと思っていますが、それは将来の話で」とユーモアを交えつつ説明。大村は「スタジオジブリさんのコンテンツは巨大。ジブリパークが進化・発展していくのはあり得ますし、あるべきことだと思います。しっかり維持しながら、皆さんに楽しんでいただけるよう育てていきたいです」と未来を見据えた。
なお映画ナタリーでは追って内覧会の模様をレポートする。
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宮崎吾朗の映画作品
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【イベントレポート】ジブリパーク会見で宮崎吾朗が持論語る「横に木が1本あることで風景として美しくなる」 https://t.co/YZfuLc4m3M