「
井上荒野が、父である作家・井上光晴と母、2021年11月に死去した瀬戸内寂聴をモデルにして創作した同名小説を映画化した本作。寂聴をモデルにしたみはるを寺島、井上光晴をモデルとした篤郎を
コロナ禍での度重なる撮影延期を経て、今年5月にようやく撮影を実施。剃髪して挑んだ寺島は「髪を剃ったのも5月なので、こんなに伸びるのかと。生きてるんだなって感じます」と自身のベリーショートヘアに触れる。劇中には実際の剃髪シーンもあり、撮影時のことを「一発勝負なので(現場は)ピリッとしていました。私は役に挑んでいる感じで大丈夫でしたけど、ヘアメイクさんやプロデューサーさんが剃る前から泣いちゃって……」とスタッフ一同が感情をたかぶらせていたことを述懐した。
また寺島は役作りを振り返り「残念ながらお会いできなかったけれど、この映画を楽しみにしてくださっていた寂聴さんのお住まいである寂庵で『パワーをください』とお祈りしたら、いいエネルギーがもらえました。寂聴さんに背中を押してもらえたような気持ちで撮影に臨めました」と明かす。寺島演じるみはるについて、廣木は「想像と違って明るかった。映画自体がそんなに暗くならなくてよかった」と満足げ。また「3人のバランスが本当によくて。こんな関係性の男女がいたらすごく迷惑だなと思いました(笑)」とキャスティングへの手応えをのぞかせ、広末演じる笙子についても「怖いんですよ」と評して太鼓判を押した。
夫の“手当り次第”とも言える女性関係を黙認する笙子を演じた広末は、撮影中に豊川から「ごめんね」と謝られたことを告白。豊川は罪な男・篤郎を魅力たっぷりに演じており、広末は「『旦那さんが豊川さんみたいないい男じゃなくてよかった!』と思うはず(笑)」と述べ、「豊川さんは悪くない! 篤郎さんが残念。あと当時の時代背景もあるので」と擁護して寺島と廣木を笑わせる。
最後は、本日欠席した豊川からの手紙が司会者によって読み上げられた。「『恋に落ちるって雷に打たれるようなもの』というのは寂聴さんの言葉ですが、確かに私たちは自分の意思に関係なく恋に落ちることはありますよね。そして、そんな恋愛をうらやましく思うこともあります」「1人の男と2人の女の不思議な恋愛映画です。最初は少し違和感があるかもしれませんが、観終わったあとには、何か心地よい雷に触れたような、そんな気分になっていると思います。映画を楽しんでくださいね」という言葉を受け、寺島は客席の豊川ファンを見渡しながら「これでちょっと気が晴れたんじゃないですか? 素敵な文を書かれますね」とほほえんだ。
「あちらにいる鬼」は11月11日より全国ロードショー。
※「あちらにいる鬼」はR15+指定作品
関連記事
寺島しのぶの映画作品
リンク
Chiaki @ Dorama World ドラマワールド @doramaworld
Completion screening event of new movie "Achira ni iru oni" at Space FS Shiodome on 29 Sep 2022 - Terajima Shinobu & Hirosue Ryoko
https://t.co/GRs2mSvu0r https://t.co/J2SIhseqWE