実写映画「
柊あおいの同名マンガの10年後を舞台にした本作では、児童小説の編集者になった24歳の月島雫と、夢を追い続けて海外で暮らす天沢聖司の姿が中学生時代のエピソードを交えて描かれる。清野が雫、松坂が聖司、内田が雫の親友・夕子を演じたほか、安原、中川、荒木、住友が中学生時代の雫、聖司、杉村、夕子を演じている。
コロナ禍での撮影中断、公開延期を経て2年越しの10月14日に封切られる本作。初披露を迎えた清野は「撮影が始まったのが2020年の3月。終えたのが2022年の5月。2年半経ってようやく今日を迎えられて、スタッフの皆様、そして待ち続けてくれたファンの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです」と胸をなでおろす。クランクアップの際には涙があふれたそうで「撮影が止まってしまった間にもほかの作品には参加していたんですけど、雫ちゃんがずっと頭のどこかに必ずいて。クランクアップのときは2年前と同じスタッフの皆さんが集まっていて、そのことにすごく感動しました」と振り返った。
松坂は「本当に(時間が)かかりました! 大河で言ったら2本分。それぐらいの思いが詰まっています」と挨拶。スタジオジブリによるアニメ映画が大好きだそうで、聖司役のオファーには「プレッシャーに押しつぶされそうだった」と吐露し「でも設定を聞いて、雫と聖司の10年後を見られるのかと興味が大きくなって、背中を後押ししてくれる原動力になりました」と明かす。「原作やアニメで見ていた聖司くんから、少し幅が広がった一面が台本には書かれていて。『プロになるよ!』と雫と約束してから、その壁に思い悩む不安や葛藤、揺れ動く気持ち。そこを大事にして、天沢聖司の新たな一面をちゃんと表現できるんじゃないかと思いました」と続けた。
中学生のキャスト陣は綿密なリハーサルを重ねてから撮影に臨んだ。安原が「雫と向き合う時間をたくさんいただいて、監督から厳しくも優しく背中を押していただきました」「雫は感情が豊かなので私も常に心を弾ませて演じて雫になることができたと思います」と述べると、平川も「本当に立派になりました」としみじみ。中川がリハーサルやチェロの練習の苦労を振り返り「平川監督から優しくも厳しく背中を押していただいて」と安原と同じように話すと、平川は「“厳しく”は要らないよ! そんなに厳しくしてない」と笑い混じりにツッコんだ。中川はチェロを弾く際に、松坂の演技を参考にしていたそうで「桃李さんが弾いているときに、雫のほうに目線をクッと上げるんです。そこをできるだけ忠実にまねていました」と回想。平川が「そのときカメラマンがなんて言ったんだっけ?」と振ると、中川は「今、松坂桃李に見えたよ」と言われたことを明かし、松坂も満面の笑みを見せていた。
映画はイタリアも舞台となっており、当初は海外ロケが予定されていたが、コロナ禍のため現地での撮影は叶わなかった。この日は日本とイタリアの親善の印として、映画でも重要なモチーフとなる紳士風の人形・バロンをイタリア文化会館に贈呈。キャストを代表して清野がバロン人形を館長のシルヴァーナ・デマイオさんに手渡した。
最後に松坂は「皆さん、期待していただいていいです! それぐらい自信のある作品になっております。公開まで少し時間はありますので、多くの方に皆様の言葉で伝えていただけると幸いです」とアピールし、清野は「2年半の思いがギュッと詰まってます。原作をリスペクトした青春シーンもちりばめられていてキュンキュンできると思います。ぜひ楽しんで観てください」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
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