「アウトロダブル」佐藤流司が恒例のうんちく披露、藤田玲「いつも勉強になる！」

「アウトロダブル」の公開記念舞台挨拶が本日9月3日に東京・シネマート新宿で行われ、キャストの藤田玲、佐藤流司、中村太郎、高橋怜也、なだぎ武、監督の西海謙一郎が登壇した。

本作は「ボーダーライン」「ダブルドライブ ～狼の掟～」「ダブルドライブ ～龍の絆～」に続くシリーズ最終章。アベル役の藤田は「本日、皆さん朝早くから劇場に足を運んでくださり、これだけたくさんのお客様の前で、共演者のみんなと一緒に作品を届けられてうれしいです！」、純也役の佐藤は「皆さん、今日は朝早く起きてこの劇場に足を運んで下さったと思いますが、私も今日は早起きをし、そしてカフェインのサプリメントを飲んだので、ガンガンに起きてます（笑）」と挨拶。また久保寺役のなだぎは「どうも、2.5次元俳優のなだぎです。今日は朝早くから私だけのためにご来場いただき、ありがとうございます」とうそぶき、藤田と佐藤から「違う、違う！」とツッコまれた。

本作について、藤田は「アベルというキャラクターをここまでシリーズを通じて演じ続けられてうれしい。そして、今日登壇のメンバー含めシリーズを通じて仲間が増え続け、最高の最後（シリーズ最終章）を迎えることができました。2作目に流司が出演してくれたことで作品に深みが出て、そして今作では、太郎や怜也が作品にポップさを加えてくれた。そしてなんといっても、2.5次元俳優のなだぎさんも本作には出演してくださったわけで（笑）」と共演者に触れる。佐藤は「前作のアンダーグラウンドな感じの雰囲気も好きだし、今作のより見やすくなっている感じの雰囲気も、どちらも好き。特に今回の撮影は幸せに演じられた感じで。そして、アドリブも今回は多めに入れましたね」と過去作との違いを述べる。また「アベルが人間らしくなると、こっちも接しやすくなる。アベルにシリーズを通じて殴られ続けてきたので、純也は今作ではかなり耐久力も付いたかな。前は殴られて失神していたのに、今作では殴られたら頭突きを返すくらいになってますから（笑）」と、自身の演じるキャラの成長について語った。

中村は「今までのシリーズをファンとして観ていたので、今回出演オファーをいただいたときにキャラクターを想像してテンション上がりましたが、実際はハムスターを追いかけてるだけでした（笑）。あと劇中ではイケメンすぎて売れない芸人という設定ですが、僕はそんなイケメンじゃないですよ（笑）」と自嘲。すると藤田から「いやいやイケメンだよ！」と茶々を入れられ、「作品にポップさを加えられてよかったです！」と苦笑い。高橋は「『特技はギター』とプロフィールに載せてますが、実はそれほど弾けないんですよ……。にも関わらず、本作では難しいギターを弾くシーンを振られて、正直ヤバいと思いました。そのシーン、何度も撮り直しになってしまい迷惑をかけてすみません」と登壇者に謝罪。MCを務めたプロデューサーから「『特技はギター』のプロフィールを見てキャスティング決まりました」と明かされると、高橋は「これからは、『趣味はギター』に変えます」と宣言して場内を笑わせた。

西海とは一緒に仕事をした経験があるというなだぎは「けっこうイカれた監督で（笑）、ガンガンやってくれと。そのときの経験でなんとなく、本作も方向性は見えていた」と語る。さらに「監督の言う通りに演じたら、あんな感じになりました（笑）。演じたキャラクターは、フレディ・マーキュリーのイメージです」と振り返るが、藤田と佐藤から「いやいや、台本通りじゃないですよ」「書いてない、書いてない！」と総ツッコミ。佐藤は「（なだぎと共演した）駐車場のシーン、俺、素で笑いましたもん！ 音声は入ってないけど、このシーンの最後、俺『この人おかしい！』って言ってますから」と笑った。そんななだぎについて西海は「なだぎさんはテイクを重ねるとだんだん面白くなくなってくるので（笑）、瞬発力みたいなものを大事にして、あとは笑いながら撮ってました」とコメント。またシリーズで初めて監督を務めたことについては「シリーズ作ということで、できあがった現場に僕は乗っていくだけだったので、あとは（本作から参加の）他キャストをどう生かしていくかだけでしたね」と述べた。

ここでMCが「時間が余っているので、何か面白いトークや撮影エピソードを……」とまさかの無茶振り。シリーズ過去作の舞台挨拶では佐藤がうんちくを披露することが恒例になっていたため、なだぎがここで「こういうときは流司くんが面白いことを言えるって聞いたけど」と切り出すと、佐藤は「本作はウサギがキーワードなんですよ、重要な役で（笑）。で、ウサギは『1羽』『2羽』と数えますよね。これはなんでかと言いますと、生類憐れみの令などもあって、ウサギを食べるのはよろしくないという風潮の中で、鳥のように数えることで法の目をかいくぐってウサギを食べたというのが、”1羽2羽”と数える理由という説もありまして……」と見事に期待に応える。これには会場からは拍手と笑いが起こり、なだぎは「本当のうんちくだ！（笑）」、藤田は「いつも勉強になる！」と感心していた。

締めの挨拶を求められると、高橋は「素敵な先輩方と一緒に出演できて光栄でした。そして勉強になりました」と述べつつ、また昨日9月2日が誕生日なため「今日は最高のプレゼントです！」と笑顔を見せた。中村は「今日は登壇できませんでしたが、共演した（牧島）輝も作品の公開を喜んでいると思います。あと、僕もハムスターのうんちくあります！ ハムスターは、うんちを食うんです。これがほんとの“ウンチク”です。今日はありがとうございます！」と言ってしまい、場内は微妙な空気に。藤田からは「舞台挨拶でうんちって言葉、初めて聞いたよ！」と叱られてしまう。これを聞いた佐藤は「えー、馬肉を『桜肉』、猪の鍋を『ぼたん鍋』などど言いますが……これは馬のひづめが桜の形に似ていることから、猪は鼻の形がぼたんに似ているから、そういう隠語が始まりと言われており…」とまたしてもうんちくを披露し、場内を和ませた。

最後には藤田が「今日こうして笑顔の挨拶とともに、作品を皆さんに届けられてうれしいです。最高に楽しい作品なので、もしこの作品を観て楽しいと思ってもらったら、友達を誘って何度も観てください。何度も観ると（佐藤が言っていた）ウサギがどこかに映っているかも知れません。これからもこの作品をよろしくお願いします」と挨拶し、イベントは終了した。

「アウトロダブル」はシネマート新宿ほかで公開中。