香港を代表する7人の監督が全編35mmフィルムで制作「七人樂隊」10月公開

サモ・ハン、アン・ホイ、パトリック・タム、ユエン・ウーピン、ジョニー・トー、リンゴ・ラム、ツイ・ハークが監督を務めた香港映画「七人樂隊」が、10月7日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。ポスタービジュアルが到着した。

第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションに選出された本作は、香港で活躍する7人の監督が1950年代から未来まで、担当する年代をクジで選び撮影したオムニバス映画。フィルム時代の作品に敬意を表し、全編35mmフィルムで香港各時代の“美しい瞬間”を捉えている。

「燃えよデブゴン」シリーズなどで知られるサモ・ハンが手がけたのは、カンフーの稽古に励んだ幼い自分と仲間を描く自伝的エピソード「稽古」。「桃さんのしあわせ」のアン・ホイが教育に生涯を捧げる校長先生と同僚の教師、かつての教え子たちの姿をつづった「校長先生」、「欲望の翼」の編集で香港電影金像賞の最優秀編集賞に輝いたパトリック・タムが、移住を控えた恋人たちの別れを映した「別れの夜」を監督した。

さらに「マトリックス」で武術指導を担当したことなどで知られるユエン・ウーピンが香港を離れる孫と残る祖父の温かな交流を描いた「回帰」、「奪命金」のジョニー・トーが一般市民が株価に右往左往するさまを活写する「ぼろ儲け」、「友は風の彼方に」のリンゴ・ラムが香港の変わり様に翻弄される男を主人公にした「道に迷う」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズなどで知られるツイ・ハークが病棟を舞台とした「深い会話」を手がけた。

「七人樂隊」のプロデュースも担当したジョニー・トーは「タイトルの『七人樂隊』には、スタイルと才能の異なる監督たちが組むことで、優れた演奏者の共演のように、共鳴し妙なる調べを奏でることができるとの意味が込められている」と述べ、「『七人樂隊』は全編をフィルムで撮影し、フィルム撮影の年代へ敬意を表した映画である。7人の監督が協力し、この世代の香港の監督の団結精神を見せることで、若い世代の映画人を啓発し励ましたい、とも願っている」と語っている。