間宮祥太朗は美しい、「破戒」前田和男が起用理由を語る「丑松に深みを与えてくれる」

「破戒」の記者会見が本日6月28日に東京・日本外国特派員協会にて行われ、キャストの間宮祥太朗、監督の前田和男が出席した。

全国水平社創立100周年記念映画として製作された本作。被差別部落出身で亡き父から出自を隠し通すよう戒めを受けた小学校教師・瀬川丑松（せがわうしまつ）が苦悩するさまが描かれる。島崎藤村による同名小説を「発熱天使」「みみをすます」の前田が約60年ぶりに映画へと昇華させた。

オファーを受けた当時の心境を聞かれた間宮は「映画が好きで、映画の業界に少しでも携わりたいなと思ったことが俳優業を始めたきっかけでした。1年前、20代の最後にこの映画に主役として携われたことをとても幸せに感じています。お話をいただいてから原作を読み、そして準備段階の脚本を読んだときに、今の世の中に新作の映画として公開される力や意味を持つ作品だと感じました。自分たちの世代や、もっと若い世代に広く観ていただけるとうれしいです」と述べる。

また丑松を演じるうえで意識したことを尋ねられた間宮は「文学作品なので、まず日本語の響きがとても美しいと感じました。セリフを言う際にその美しさを損ねないように意識しました」と語り、感情を表現するうえで水の表面がピンと張っている鏡のような池をイメージしたと明かす。間宮は「いろいろな出来事、見た光景、聞こえる言葉、それらが小石や雨粒のように池の水を打つ。そうして水が上下左右に動くイメージを持って表現しました。再び鏡のような状態に戻っても、最初の頃の水の状態とは変わっているんですよね」と役作りを振り返った。

前田は、丑松役に間宮をキャスティングした理由について「間宮さんの一本押しです」と即答。続けて、「決め手は何より彼の美しさ。また美しさの輪郭にある寂しさに惹かれた。その2つが丑松というキャラクターに深みを与えてくれるだろうと思った」と称賛する。その言葉に間宮は「僕も監督のことを美しいと思っています！」と笑みを浮かべていた。

「破戒」は、7月8日より東京・丸の内TOEIほか全国で公開。