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本作の主人公は、ある港町で半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる青年・渡口淳。ある日、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起き、そこに思いも寄らぬ人物が犯人像として浮かび上がる。伊藤が淳、小林薫と余貴美子が淳の両親を演じた。
2年ぶりの映画出演となった伊藤は、公開初日を迎え「すごくドキドキしていました。どういうふうに皆さんのもとに届くのか。初日ってこんなにも愛おしいものなんですね」と喜びをあらわに。また伊藤は、両親が作品を鑑賞したと話し「大感動してくれた。恩返しできたかなと思います」と頬をゆるませる。続けて、「父親から『つまずいた』とメールがあったんです。『大丈夫?』と返したら、『俺のことはいい。自分のことを気遣え』と小林薫さんと同じセリフを言ってきました(笑)」と明かした。
本作で初タッグを組んだ伊藤と阪本。お互いの印象を聞かれると、伊藤は「最初はすごく怖かったです(笑)。談笑させていただくうちに、安心して自分のすべてをさらけ出すことができました。とにかく面白いことが大好きな方で、作品や役者、そして自分に対して愛を持って接してくださる」とコメント。一方で阪本は「気持ちは強いけれど、心はガラス板みたいなところがある。大きな声で笑うときがありますが、たまにそれが寂しく感じるんですよね」と明かす。伊藤は「自分のことをすごく見てくれていて、自分ではあまり見せないようにしているところも監督には見透かされている。理解してくださっているんだなと思うとすごくうれしいですね」と述べた。
イベントでは、伊藤が阪本にサプライズで手紙を朗読。伊藤は「監督と出会えたこと、素晴らしい先輩方とご一緒できたこと、本当に感謝しかありません。『冬薔薇』は僕にとって宝物です。『冬薔薇』は僕にとって第2章の始まりだと思っています。監督と出会い、この先もずっと役者として生きていくと、改めて強く思いました。そして、芝居が大好きだと改めて強く思いました。阪本組に自分を招き入れてくださり、本当にありがとうございました」と思いを込める。阪本は「伊藤くんでなければ、『冬薔薇』の物語は一生書いていないと思う。この映画をつづらせてくれた伊藤くんに感謝したい」と語り、伊藤から受け取った花束を伊藤へプレゼントする粋な計らいで会場を沸かせた。
最後に伊藤は「監督にはどん底からすくいあげていただきました。本当に感謝しかありません。何でこんなにも人に恵まれているんだろう……。これから先、もっともっといいものを皆さんにお届けしたい。それが僕の使命だと思っています。素敵なものを届け続けられる、芝居の現場に居続けられる役者になっていきたいと思います」と決意を新たにした。
「冬薔薇」は全国で公開中。
伊藤健太郎が阪本順治に宛てた手紙全文
阪本順治監督。
2021年5月26日、監督と出会いました。
あのとき、監督には自分なりの覚悟を持って会いにいきました。
監督の顔を見たとき、正直、「何を聞かれるんだろう」「何の話をするんだろう」と怖さにも似た感情がありました。
あの日から今日の公開を迎えるまでの数カ月は、あっという間だった気がします。
監督と出会えたこと、素晴らしい先輩方とご一緒できたこと、本当に感謝しかありません。
「冬薔薇」は僕にとって宝物です。
監督をはじめ、この作品に携わってくださったすべての皆様、お芝居をする場所を場所をくださったキノフィルムズの皆様、本当にありがとうございました。
この「冬薔薇」は僕にとって第2章の始まりだと思っています。
監督と出会い、この先もずっと役者として生きていくと、改めて強く思いました。
そして、芝居が大好きだと改めて強く思いました。
阪本組に自分を招き入れてくださり、本当にありがとうございました。
次はボクシング映画でご一緒したいです。
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仝 / 「冬薔薇(ふゆそうび)」の初日舞台挨拶が本日6月3日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの伊藤健太郎、監督の阪本順治が登壇した。 https://t.co/1S9d2SOKB4 伊藤健太郎「冬薔薇」で役者人生の第2章へ、阪本順治に感謝つづる - ナタリー https://t.co/jIDPrqMZxe