太平洋戦争末期、住民を巻き込んだ激しい地上戦の舞台となり、県民の4人に1人という20万人を超える死者を出した沖縄。「島守の塔」では、県民の命を必死に守る知事と警察部長の苦悩や葛藤、そして戦争に翻弄された市井の人々の姿が描かれる。
敗色濃厚な1945年1月に沖縄県知事として赴任した島田叡を萩原、島田とともに県民の疎開・保護に尽力した警察部長・荒井退造を村上が演じた。島守の塔は沖縄の平和祈念公園内にある県職員の戦没者慰霊碑のこと。その奥には「命(ぬち)どぅ宝(命こそ宝)」と訴え、消息を断った島田と荒井の終焉の地を示す石碑も建てられている。
萩原は「どんなに時間が早く過ぎても決して忘れてはならない事が描かれた映画です。正に今、そんな時代だからこそ、沢山の方に観ていただけたらと心から思っています」と推薦。村上も「この作品が伝えるべき“核”となるメッセージはスクリーンにあります。この作品に参加できたことを誇りに思います」と語っている。
島田の世話役となる県職員・比嘉凛役で
萩原聖人 コメント
東日本大震災を知らない世代がいるように、時間の流れは速く、次の時代を作っていきます。この作品で語られていることは僕自身も詳しくは知らない事が多かったです。どんなに時間が早く過ぎても決して忘れてはならない事が描かれた映画です。正に今、そんな時代だからこそ、沢山の方に観ていただけたらと心から思っています。
村上淳 コメント
この作品が伝えるべき“核”となるメッセージはスクリーンにあります。この作品に参加できたことを誇りに思います。
五十嵐監督の優しい執念のようなものに守られた作品だなと思います。画に写るすべての役者たちの“顔”がいい。フレームの外の気配。この作品がどうみなさまに写るのか。どうぞよろしくお願いいたします。
五十嵐匠 コメント
映画「島守の塔」を監督するため、3年間沖縄に通い、数多くのガマにも入りました。ガマの暗闇の中、沖縄戦で何か月もそこで息をこらしていた多くの沖縄の人々のことを思いました。ひめゆり平和祈念資料館では修学旅行の女子生徒がひめゆり学徒隊の日記を読み、ボロボロ涙を流していました。日本兵と共に南へ下った何万人もの人々が摩文仁で命を落とし、その道々に今でもその人々が立っているような錯覚を覚えました。沖縄では「戦争が終わっていない」と思いました。現在、ウクライナで戦争が起こっていますが、製鉄所の地下で息をひそめるウクライナの人々がガマの中の沖縄の人々とダブってしまいます。過去の歴史に何一つ学んでいない人間の愚かしさと悲しさを思います。映画「島守の塔」は、コロナ禍のため、撮影途中で中止になり、完成が危ぶまれました。しかし、1年8カ月の延期の末、この作品を「必ず、世に出す」という、スタッフ・キャスト、そして製作委員会やサポーターの皆さんの強い意志が映画「島守の塔」を生み落としました。奇跡のような映画だと思っています。
関連記事
萩原聖人の映画作品
リンク
岡田紗佳🌸おかぴー @sayaka_okada219
この名前の並びでずんたんを思い浮かばないわけがないのよね…😂
萩原聖人と村上淳のW主演作「島守の塔」7月公開、吉岡里帆や香川京子も出演(コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/jZoBlJ3MYw