同プロジェクトは新型コロナウイルスの感染拡大により観光地である大分・別府への客足が遠のいたことをきっかけに、別府の街や小さな映画館をエンタテインメントの力で元気づけるために誕生したもの。別府を舞台に、さまざまな監督がオリジナルストーリーの短編を制作する。第1弾の
齊藤による「縁石」は、人生に疲れた中年男性が故郷である別府を訪れ、地元の人々との触れ合い、温泉、景色との出合いを通して自分自身と向き合うストーリー。主演は大分県出身の
5月21日には本作を上映予定の別府・ブルーバード劇場にて会見が行われ、齊藤と安部が登壇。本作のオファーを受けた理由を聞かれた齊藤は「受けない理由がないです」と言い切った。また5月17日から21日までの5日間で行われたという撮影について「何もないところで0から1にしてフィクションを作っていくのが映画の1つの作り方だと思いますが、すでにそこにあるものを偶然カメラが捉えていたというような大きな分母の中で、凪のような撮影ができている気がしています」とコメント。さらに「この現場で僕はテストもスタートも言ったことがないんです。安部さんが大分出身であることも含め、大分の方たちとここにしかない特別な何かを当たり前のように切り取り、唯一無二のかけがえのないものが撮れていると思います」と振り返った。
安部は撮影について「いつのまにか自然にスタートしている感じなんですよね。温泉も食も堪能しながら撮影して、常にあったかい気持ちでいさせてもらっています」と現場の雰囲気について述べる。また安部について齊藤は「『ガチ星』などで見せてもらった、安部さんが持っている深さや醸し出すものが憧れで、安部さんを想起すると脚本もどんどん膨らんでいきました」と、彼の主演作に触れながら起用の理由を明かした。
さらに安部は「役者を始めて25年になりますが、まさか自分が齊藤さん監督の作品で主演を演じさせていただけるとは思っていなかった」と喜びを語りながら「自分が大分出身なので、エキストラの方々が大分弁を話すとつい、大分弁になりますね。そうするとカメラもほとんど意識せず、その場の空気に沿って演じている感じがしています」と回想する。なお会見には、安部は役衣装のまま登壇。会見を終えると劇場の前で撮影がスタートし、安部が演出プランを撮影監督らと話し合う姿も見られた。
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森田真帆/映画ライター/別府短編第3弾齊藤 工監督「ふちいし」公開 @mahomorita
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