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凪良ゆうの同名小説をもとにした本作では、誘拐事件の被害者として名を知られるようになった女児と加害者とされた青年が15年後に再会するさまが描かれる。広瀬が子供の頃に公園で出会った大学生のもとで2カ月を過ごした家内更紗、松坂が更紗を部屋に招き入れた佐伯文を演じ、横浜が更紗の婚約者・中瀬亮、多部が心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみに扮した。
原作を読んだときの印象を問われた李は「美しい物語だと思いました。きれいなだけじゃなく今を生きる僕たちが直面している社会の状況が鋭い目線で描かれている。何より、人と人、魂と魂の結び付き、純粋につながろうとする姿が美しいと思いました」と言及する。
役作りについて松坂は「内面を掘り下げていくにあたって、文が住んでいる場所に実際に寝泊まりしてみたり、日記を書いたり、コーヒーをひたすら淹れ続けたり。考え付くことを手当たり次第にやりながら模索していました」と振り返る。「監督があるとき『俺もホテルで演じてみたよ』とおっしゃってくれて。同じ角度で一緒に役に挑んでくれていると思ったんです。僕にとってはすごくうれしい瞬間でした」と笑みをこぼした。
広瀬が「あれ誰だろう?って思うほど、お芝居は文そのもの。でもカメラが回っていないときはいつものフラットな桃李さんのままで。やっぱり不思議な方でした」と回想すると、松坂は「僕も受ける印象が違っていて、もしかしたらこっちが本当の広瀬すずなのか?と思ったり。今回はお互いのはらわたを見せ合わないとできない空気だったかなと思います」と口にした。
「チャレンジでしかなかったです」と話す横浜は「亮の要素が自分の中に1つもないと思っていたので、大きな壁が立ちはだかっていました。空手をずっとやっていて、涙を見せるな、男はこうあるべきだと叩き込まれてきたので、“甘え”ってなんだろう?って(笑)」と役作りの苦労を語る。続けて「監督に『(広瀬に)まずはひざ枕してもらえ』と言われて。甘えるってこういうことなんだというのを亮を通して知ることができたのが収穫です」とコメント。これを横で聞いていた広瀬は「体重を乗せてくれず1、2キロぐらいで。ずっと敬語でカオスでした(笑)」と裏話を披露し、会場を和ませた。
登壇者の話を聞きながら「私、何もないまま撮影に参加したんだなって(笑)」とこぼすのは多部。「(松坂と)現場で手をつないでいようとか、抱き付いていようとかそういう役作りはしましたけど、もうちょっといろいろしたかったです……」と言ってからすぐに照れた様子を見せ「したかったというか、意味深ですね」と笑いが止まらない様子だった。
イベント中盤には本作の物語にちなみ「宿命の相手は?」という質問に登壇者が答える場面も。広瀬は「姉」、横浜は「自分」、多部は「もうひとりのわたし」、李は「映画」と回答する。樹木希林と書かれたフリップを掲げた松坂は「初めての主演映画で希林さんがおばあちゃん役をやってくれたんです。単独主演だし、番宣がんばらなきゃって思ったら、希林さんが『私も行くわ』と全部付いてきてくれて。『記者の方が同じ質問をしても、同じ返しをしちゃいけないから。それじゃ観ようと思ってくれない』ってアドバイスをいただいたんです」と思い返し、「今回お母さん役が(内田)也哉子さんに決まったときに、ちょっとゾクッとして。お母さんとのシーンでは、僕の中でなんとも言えない感情が巻き起こっていました」と思い入れたっぷりに伝えた。
最後に松坂は「登場人物の関係性や世界観が観客にどのように映るのか怖いです。怖いんですけどしっかり観ていただきたいという気持ちが大きいです」とコメント。広瀬は「おなかの中のマグマを吐き出しながら作った映画。1人でも多くの人に届いたらうれしいです」と口にした。
「流浪の月」は5月13日より全国ロードショー。
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Completion screening event of new movie "Rurou no tsuki" at Iino Hall on 13 Apr 2022 - Hirose Suzu, Matsuzaka Toori, Yokohama Ryuusei & Tabe Mikako; showing from 13 May 2022
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