第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した「
村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録されている作品をもとにした本作では、妻を亡くした俳優・演出家の家福が寡黙な専属ドライバーのみさきと出会い、喪失感と向き合っていくさまが描かれる。家福を西島が演じた。
第94回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞にノミネートされた本作。世界に認められた理由について濱口は「村上春樹さんの物語の世界があり、そしてそれを説得力のある形で俳優さんが具現化してくれたというのが一番大きなことだと思う」と分析する。「仮にハリウッドからオファーがあったらどのような作品を作りたいか」という問いかけに対しては「わからないというのが正直なところ」と答えつつ、第93回アカデミー賞で作品賞を受賞した「ノマドランド」の監督クロエ・ジャオからアドバイスを受けたことを明かした。「『正気でいなさい』という言葉をもらいました。すごく重い言葉だと思います。しっかり地に足をつけてやっていけるような題材や体制があれば挑戦してみたい」と話す。
アカデミー賞の舞台に上がった際の心境について「特に自分は、直前に至るまでオスカーが自分の人生に関わってくるとは思っていなかった。(アカデミー賞は)今まで経験していなかったところに自分を導いてくれるものだという気がしています」と振り返った濱口。西島は「アカデミー賞の場は映画を作る人、映画愛の強い人の集まりなので、お互いの作品をたたえ合う環境で居心地がよかったです。今日のほうが緊張しているくらい」と率直に話して笑いを誘った。
また、西島は「濱口さんの現場はとにかく丁寧に時間をかける。それがお互いを尊重したり、より深く素直に理解することにつながると実感しました」と述懐。山本は「中学生の頃から村上春樹さんの小説を読み親しんできた。濱口さんの作る映画は技術や志も素晴らしい。村上春樹さんの世界に、濱口さんなら映画の手法で正しくアプローチしてくれるんじゃないかと思いました」と語る。そして濱口は「少なからず世界の目がアジア映画に向いているということがわかったので、世界に出ていこうという方たちはぜひ野心を持ってやっていってほしい」とメッセージを送った。
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