本作の主人公は、ある港町で半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる青年・渡口淳。ある日、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起き、そこに思いも寄らぬ人物が犯人像として浮かび上がる。
小林と余は、淳の両親・義一と道子を演じた。小林は「淳達が遠いところの住人でもなく、とっても身近な存在に思えてきました」と本作への思いをつづり、余は伊藤について「初めての出会いだが、役どころとは裏腹に力むことなく、ずっと優しく穏やか。母親役の私の息子としてリアルに存在していて有難い!」とコメントする。
そのほか淳の叔父・中本裕治役で
さらに義一が船長を務める渡口丸の甲板員・近藤次郎役に
「冬薔薇」は、6月3日より東京・新宿ピカデリーほか全国ロードショー。
小林薫 コメント
台本の段階では、この終わり方で良いのかなって云う不安が正直ありましたが、完成試写を観て不安払拭、感動しました
自分のことはさて置き、阪本作品に参加させてもらい、大変貴重な時間を頂いたと思っています
観終わってしばらく経ってなんですが、ふとコレは俺のことなんじゃないかという思いが湧いてきました
もちろん、淳の人生と似ていると云う意味ではなく
若い時の出口の無い袋小路ってみなの中にもあるンじゃないのかな
ボクはたまたまと云うか、役者業の道に入りましたけど、別の道を歩んでいたらと思うと、淳達が遠いところの住人でもなく、とっても身近な存在に思えてきました
大人達にしたっても別段明るい明日があるわけでもない、
みな、出口の無い袋小路で、もがくようにして生きている
それが何だか分かりませんが、ボクには希望でもあるように観えてきたのです
余貴美子 コメント
阪本順治監督との仕事は三作目だが、いつもドキドキドキする。監督の言葉、脚本、演出だから人をよくみている。自分の本性を見透かされそうで、恐ろしい!
主人公の伊藤健太郎さんとは初めての出会いだが、役どころとは裏腹に力むことなく、ずっと優しく穏やか。母親役の私の息子としてリアルに存在していて有難い!
夫役の小林薫さんや諸先輩方は、実人生とお芝居との境目がなく、とても自由で幸せな現場だった!
冬薔薇というタイトル! とても切なくて儚い感じだが、冬に薔薇が咲くのは、間違いなのか? 勘違いなのか? でも夏の薔薇のように、北風にも負けずスックと花は咲く。全員がちょっとずつ誤解しながら生きている、そんな人達の物語。解っちゃいるけど、生きるって大変!
とても静かに心に沁みてくる。面白いと思う。
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