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彩瀬まるの同名小説を映画化した本作では、親友・すみれの死を受け入れられずにいる主人公・真奈が、すみれが最後に旅した地へと向かうさまが描かれる。
しんのすけは事前に本作を鑑賞した際、自身のTwitterで「傑っっっっっっ作でした」と絶賛していた。特筆すべき点として「ビデオカメラの演出」を挙げ、「すみれの足跡をたどるツールに写真ではなくビデオカメラを選んだ理由は?」と尋ねる。すると中川は「すみれがどういう世界を見ているのかを考えたとき、写真だと彼女の世界の見え方が止まってしまうと思った。写真や映像を撮る理由は2つあると考えていて、1つは記録メディア、もう1つは世界を発見するための道具。すみれは世界の見えていない別の側面を見ようとする人で、写真だとそれがポエムになってしまう。ある種、物理メディアでもある重みが手紙と近いので、ビデオカメラを選びました」と明かした。
また中川は「学生のときに仲のよかった友人が亡くなってしまったんです。その友人に生前『龍太郎は絶対に死なないやつだよ』と言われたことが印象に残っていて。当時は少しネガティブな言葉として受け取りましたが、今は前向きに捉えています」と語る。そしてキャスティングの意図について「真奈という人物は、どんなに憂鬱になっても、傷付けられても、いい意味で図太さがある。それは生きるのに必要なことだと感じて、自分みたいに図々しい人を選ぼうと思った。岸井さんが図々しいって訳ではないですよ!(笑) ただ、彼女にもそういう生命力やたくましさを感じるので起用しました」と説明。さらに「一方の浜辺さんは、もっと遠いところを見ているという意味でキャスティングしました。足元に落ちているポーチに気付くのが真奈で、遠くにあるものに気付くのがすみれ。その対比を考えたときに、この2人を思いついたんです」と語る。
それを受け、しんのすけが「岸井さんの存在感はもちろんのこと、今まで見たことのない浜辺さんが映っている。多忙な2人にもかかわらず、その中でちゃんと役作りの準備をしているのが感じられて素晴らしいと思った。浜辺さんは、ビデオカメラの操作も使い慣れてる感じが伝わってきて(笑)」と話すと、中川は「彼女には事前にビデオカメラを渡して日常を撮影してもらいました。今思うと、あんなに忙しい方なのによく時間を作ってくれたなと……改めて、事務所の東宝芸能さんありがとうございます!」と返して会場の笑いを誘った。
「やがて海へと届く」は4月1日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
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