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本作は「アンネの日記」を原案に“空想の友達”キティーの視点で紡いだ長編アニメーション。現代のアムステルダムでアンネを探し求めるキティーのパートと、第2次世界大戦下で隠れ家生活を送ったアンネの日常が描かれる。
「アンネの日記」は時代を超えて読み継がれているものの、アンネ・フランク基金は「時代とともに変化したストーリーテリングの技術や歴史の理解を踏まえ、現在、そして未来の世代に伝えていくため、“新しい言語=アニメーション映画”の必要性を感じていた」という。そしてアウシュヴィッツを生き延びた両親を持ち、「戦場でワルツを」で世界的に評価されたイスラエル出身のフォルマンに脚本・監督が依頼された。
ホロコーストの物語を伝える新しい方法を探していたという基金の要望は「現在と過去をつなぐこと」「アンネが最期を迎えるまでの7カ月間を描くこと」の2つ。1944年8月で途絶えているアンネの日記の、その先で起こった悲劇を現代に語り継ぐという課題がフォルマンに託された。そしてフォルマンはアンネが日記を宛てた“親愛なるキティー”をキャラクターとして創出。すでにアンネが死んでいることを知らないキティーの冒険譚が誕生した。
映像には「この作品はアンネを通して現代の問題に目を向けさせる」「私たちに憎悪の怖さを教えてくれる」と、人種差別や反ユダヤ主義、急進的なホロコースト否定論者が増えているという昨今の状況に関する説明も。アンネ・フランク基金は「今なお多くの子供たちが紛争地域から逃れ、命の危機にさらされている。私たちが変化をもたらすためには、過去から学ぶ必要があるのではないでしょうか。『アンネの日記』を通して、過去を思い起こし、歴史の教訓を学び、ともに生き、対話することで、平和へ向かうように行動する必要があるのです」と強調。さらに「戦争を繰り返さないという議論ももちろん大切ですが、とにかく話し合うことが必要。テーブルについて、武器ではなく言葉で問題を解決していくべきだと思う」と語っている。
tAk @mifu75
アンネ・フランク基金が全面協力、ホロコーストの悲劇伝えるアニメの舞台裏(動画あり) https://t.co/VIad3gF1pw