第42回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)のコンペティション、PFFアワード2020にて審査員特別賞を受賞した本作。舞台は東京五輪に向け新国立競技場の建設が進む2018年の東京だ。自傷行為や恋愛感情のないセックスを繰り返し、家庭に不和を抱える不登校気味の高校生・鳴海と、エゴだとわかりつつも人のために救急セットを持ち歩く同級生・いくは、いくが鳴海のライブ配信を観るという一方通行の関係だった。しかし、いくが梶井基次郎の「檸檬」のように、自分の遺書を赤の他人の家に投函するところを鳴海が目撃したことから、互いの心と傷の手当てをし、支え合う関係に発展していく。
いくを阿部百衣子が演じ、鳴海にモデルで俳優のせとらえとが扮した。またいくの遺書を読み正義感に突き動かされるフリージャーナリスト・直樹役で
守田は「コロナウイルス、ロシア政府によるウクライナ侵攻などによって、2018年に想像していた未来が大幅にキャンセルされていく中、東京五輪がいつの間にか素通りし、今を迎えています。たった4年の間に日常や映画という媒体の立ち位置が大きく書き換えられたように感じますが、劇場や、劇場に足を運んでくださる皆様の存在によって本作の居場所が生まれることを、心より嬉しく思います」とつづっている。
守田悠人 コメント
本作は2018年に製作したもので、オリンピックを控えた東京が舞台となっています。
本作には「檸檬」(著・梶井基次郎)の引用が幾つか出てくるのですが「檸檬」の中には、憂鬱に対しての画期的なアプローチが内包されており、それは初版から約100年経った今でも色褪せていません。
憂鬱というものも一向に色褪せる気配がなく、折り合いをつけながら生きていくしかありません。しかし反面、折り合いをつけてたまるかとも思います。
コロナウイルス、ロシア政府によるウクライナ侵攻などによって、2018年に想像していた未来が大幅にキャンセルされていく中、東京五輪がいつの間にか素通りし、今を迎えています。たった4年の間に日常や映画という媒体の立ち位置が大きく書き換えられたように感じますが、劇場や、劇場に足を運んでくださる皆様の存在によって本作の居場所が生まれることを、心より嬉しく思います。
守田悠人の映画作品
リンク
マサ・ッそ凸 @masassoDECO
少女同士が心と傷の手当てする、PFFアワード審査員特別賞受賞作「頭痛が痛い」公開(コメントあり) https://t.co/TtXhD1geL6