日台合作映画「
小川洋子の同名小説をもとに、永瀬と陸夏(ルシア)のダブル主演で実写化した本作。寂れた海沿いのリゾート地を舞台に、謎めいた男性と心に闇を抱えた若い娘・マリが禁断の世界にのめり込んでいくさまが描かれる。永瀬はミステリアスなロシア文学の翻訳家を演じた。
役作りについて尋ねられた永瀬は「素晴らしい原作に漂う『これは現実なのか、夢なのか、妄想なのか』というような浮遊感を大事にするためにはどうしたらいいのか、監督にご相談させていただきながらやっていったという感じです。(翻訳家は)原作では僕より年齢がもう少し上なんですが、それを落とし込むにはどうしたらいいのかと、現場でみんなで作っていきました」と回答。奥原は「初日の撮影で、永瀬さんの最初の歩き方を見たときに『あ、これはもう翻訳家だ』と思いましたね。あと、永瀬さんはものすごく声がいいんですね。劇中で『舌を出しなさい』というセリフがあるのですが、あの声じゃないと成立しないんじゃないかなと」と振り返った。
マリの母親を演じた菜葉菜は20代前半に原作を読んでいたと言い、「監督がビジュアルにすごくこだわられていて。私は心配になって永瀬さんに『1人だけ浮いてませんか?』『髪型、ヅラっぽくないですか?』と聞きました」と回想。また「彼女はマリの母親でもあるけど、女性でもあり、1人の人間であって、生い立ちがある。娘に対する歪んだ愛情表現はモンスター的に見えるかもしれないですが、そんな彼女の人間らしい部分は大切に演じたいなと思いました。この『ホテルアイリス』の世界だからこそ、あのビジュアルも成立したのかなと感じます」と語った。それを聞いた奥原は「実は自分の解釈では、マリの母親が登場人物の中で一番まともな人間だと思っています。ほかの登場人物との違和感を出したかったので、永瀬さんとも相談して『コスプレ大会やろっか』などと話しました」とコンセプトを明かす。
“舌がない男”を演じた寛一郎は「撮影に入る前に役のバックグラウンドをお話しいただいたのですが、舌を切除された人のケーススタディが本当になくて。監督に詳しくお聞きしました」とコメント。奥原が「最初に現場で寛一郎さんとお会いした際、僕と全然話してくれなかったんです。一言も声を出さなかった」「役に入った気持ちで来てくれたんだなと思って、すごくうれしかったです」と当時を振り返ると、寛一郎は「そうなんです。でも、しゃべらないように心掛けようと思っていたら、陸夏さんがすごくしゃべりかけてきて……」と笑いながらエピソードを披露した。
陸夏との共演について聞かれた永瀬は、彼女の日本語能力を絶賛。「監督やダイアローグコーチに付いて(セリフのしゃべり方を)一生懸命学んでいらっしゃいましたけど、普段会話する分には全然問題なかったです。びっくりするくらい」と言い、「アドリブを出したときも反応がちゃんと返ってきました。日本語を理解できていないと難しいですから、すごいなと思いましたね。それに映画初出演ですからね」とたたえた。なおイベントでは陸夏、リー・カンションからのビデオメッセージも公開された。
「ホテルアイリス」は2月18日より東京・新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほかで公開。
※動画は現在非公開です。
永瀬正敏の映画作品
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First-day event of new movie "Hotel Iris" at Human Trust Cinema Shibuya" on 19 Feb 2022 - Nagase Masatoshi, Nahana & Kanichiro
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