濱口竜介監督作「偶然と想像」の助監督を務め、2013年にスタートした船内映画上映イベント・海に浮かぶ映画館の代表でもある深田。「ある惑星の散文」は深田の初の劇場公開長編作品で、2018年にフランスで行われた第33回ベルフォール国際映画祭で長編コンペティション部門にノミネートされるなど、国内外の映画祭で入選を果たしてきた。
本作は脚本家を目指すルイと、精神疾患によって舞台俳優の活動を離れているメイコという人生の岐路に立つ女性2人が織りなす物語。キャストには
なおMotionGalleryでは劇場上映に向けた活動資金としてクラウドファンディングを実施中。リターンとして深田の監督作「2020年4月2日3分48秒」の期間限定配信などが用意される。
深田隆之 コメント
「ある惑星の散文」は距離をめぐる映画である。人物たちの物理的な距離、そして感情の距離が宇宙を漂う惑星のように静かに、しかし刻々と変化する。彼らはお互いに近づいては離れることを繰り返すが、“近い”ことが最良の結末を迎えるとは限らない。そして現在、このコロナ禍で私たちは他者との「距離」をこんなにも意識したことはなかった。6年前に撮影した本作が今を生きる私たちの不安と停滞に反響することを願っている。
富岡英里子 コメント
現場は、毎回全員参加のミーティングから始まった。どの部も自分の持ち道具を置き、お互いのコンディションを確認し合い、その日撮るシーンについて話し合った。それは、お互いを一人の人として見つめ合う時間だった。台本の解釈について話し合う時、監督の最後の言葉はいつも「そんな気がします」だった。「こうなんです」と断定されるよりも遥かに信頼できた。みんなで話し合ったことを持ち寄り、各々が“スタート”から“カット”までそこで起きることを見つめ続けた。
「あなたはこの映画を観てどんな気がした?」と、多くの人と語り合いたい。
中川ゆかり コメント
福井映画祭での舞台挨拶の前でした。深田監督が仏・ベルフォール映画祭での上映後、現地の高校生に「この後二人はどうなるの?」と尋ねられたと教えてくれました。何気ない質問にも思えるこの一言は、足が止まりがちな私の背中を今も優しく押してくれています。今思えば、彼女はその名前から想起される大きな理想に気圧されて生気を自分の奥底に沈めてしまったかのようです。そんな彼女が、身近な世界の手応えに導かれて自分を取り戻す場所はやはり劇場、映画館なのでした。時を経て、今回の上映がどなたかと交差する機会となりますように。
北村有 | 映画ドラマ本 @yuu_uu_
濱口監督の「偶然と想像」すっっっごく面白かったから、助監督をされていた深田監督の作品も期待……!
「偶然と想像」助監督・深田隆之の長編作品「ある惑星の散文」が今夏公開(動画あり / コメントあり) https://t.co/G5sskZgSKD